英慈善事業団体OXFAMが125カ国の食生活水準を調査した「食糧指数」で、日本は米国とともに世界21位と評価された。上位3カ国のオランダ、スイス、フランスを筆頭に、オーストラリア以外は欧州諸国が上位を独占しているのに対し、アジア諸国は韓国36位、タイ42位、中国56位、インド97位など全体的にふるわない結果となった。

この調査は世界保健機関(WHO)などの国際データ機関でも公開されている2007年から2013年の各国のデータを、「食糧の供給度」「価格」「食生活の質」「糖尿病率、肥満率」で比較し再評価したものだ。日本は「供給度」では世界1位で肥満率も飛びぬけて低いこと、米国は糖尿病率と肥満率が高過ぎて20位入りを逃したことなど、興味深い事実が明らかになっている。

食べ物は十分に普及しているが、高価格で多様性に欠ける日本

アジア圏で1位に輝いた日本は「供給度」で最高ポイント(100)を獲得。先進国と切っても切れない肥満問題も、他国と比べると深刻化というレベルには達していない。しかし食品が高額でバラエティー豊かな食材を摂取しているという点では今ひとつの評価。

同様に韓国も比較的食糧は行きわたっているが、高価格で多様性に欠けている。中国は食生活の質の低さとそれに見合わない価格が最大のネックのようだ。

栄養素の高い食生活と食料品の安さ、そして糖尿病率の低さで首位に輝いたオランダだが、意外なことに体脂肪率(BMI値)が30以上の「重度肥満」が5人に1人という割合だ。肥満は米国、サウジアラビア、チェコ共和国などが抱える最大の健康問題であり、人種や年齢に関係なく世界中に広まりつつある。

先進国、発展途上国ともに大人だけではなく子供の肥満も深刻化しており、米英を含む先進国では1000万人、メキシコやベネズエラといった発展途上国では3000万人といわれている。最大の原因としては、栄養素の高い果物や穀物といった食べ物から、油分と糖分の高いジャンクフードを好む子供が急増していることが挙げられている。

しかしその一方でインドでは2人に1人の子供が平均体重以下と報告されているなど、アンバランスさも目立っている。

OXFAMが「本当の意味で健康的な食生活を送っている国はほんの一握り」と結論づけているように、これだけテクノロジーが発達し「生活が豊かになった」といわれているにも関わらず、多くの国では健康な生活を送るうえで必要最低限の栄養素すらバランスよく供給されていないのが現状だ。

最も健康的な食生活を送っている20カ国

13位 ドイツ
13位 ギリシャ
13位 スペイン
13位 フィンランド
13位 ノルウェー
13位 英国
13位 サイプレス
13位 ノルウェー

8位 オーストラリア
8位 ルクセンブルグ
8位 ポルトガル
8位 アイルランド共和国
8位 イタリア
4位 オーストリア
4位 スウェーデン
4位 デンマーク
4位 ベルギー
2位 フランス
2位 スイス
1位 オランダ

(ZUU online 編集部)