シンガポール政府の支援を受け、DBS銀行が悪いトレーダーや社員の不審な行動など「内的要因」の特定に特化した新しいタイプの市場分析ツールの開発に成功した。

DBSの新ツールはこうした目的で開発されているが、従来の分析ツールが市場の動きや利回り、消費者詐欺などのリスクといった「外的要因」の予測に利用されていた。

DSB銀行によると「内部リスクに早期対処し、損害を最小限に食い止める手段として既に成果をあげ始めている」という。

CEOは「今後10年間で金融産業は大きく様変わりする」

このユニークな分析ツールは、シンガポール政府から提供されたデータをもとに、パターン分析ソフトを用いて内部リスクを検証するものだ。

多くの銀行がサードパーティーによる高額サービスに投資を行っているが、DBSは独自のツール開発に投資することでコストを削減。外部よりも内部の動きから致命傷になりかねないリスクを抑えるというユニークな発想と政府の協力で、「FinTechの効率的な活用例」を改めて世界に示したことになる。

国際都市として知られるシンガポールはさらなる進化を目指し、国の総力をあげてビジネス改革に挑んでいる。国全体を「ビジネス研究所」に創り変えるという野望のもと、昨年の投資額が284億ドル(約3兆425億円)に達したアジア諸国における「最大のFinTech国」に成長する可能性を大いに秘めている。

シンガポール金融管理局が金融改革支援の一環として、今後5年にわたり2億2500万ドル(約241億425万円)を開発センターの設立やプロジェクトの予算に組み込んでいるなど、その意気込みからは他国の政府を寄せ付けないモノが感じられる。

ピユシュ・ギュプタCEOは「今後10年間で金融産業は大きく様変わりする」と確信しているようだ。政府や金融機関、研究機関などが一丸となり、国の発展に貢献する開発に全力を注ぐことが必須であると強く主張している。(ZUU online 編集部)

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