海外で映画「アナと雪の女王」の初日の興行収入を超え、大ヒットを記録しているディズニーの新作映画「ズートピア」が明日、いよいよ公開される。あまり話題になっている印象がないが、日本でもヒットするのだろうか。まず両作品の共通点を見ていこう。
アナ雪との共通点は2つ 「ローカライズ」と「海外先行ヒット」
◎国ごとに合わせた作り
アナと雪の女王ではそれぞれの国で、歌唱力に定評のある俳優や歌姫を選んでいた。全世界で42カ国語の吹き替え版があったが、声質を統一することでオリジナル版のクオリティのまま鑑賞できるように、声優選びには細心の注意を払っていた。
ズートピアでは公開国に合わせて、その国の特徴ある動物をニュースキャスターのキャラクターに起用している。例えば、中国はパンダ、オーストラリアはコアラ、アメリカやカナダはヘラジカだ。より映画を身近に感じてもらいたいという思いが込められているそうだが、ちなみに日本はタヌキである。
◎海外で先に大ヒット
アナと雪の女王は日本より先に公開された海外で大ヒットし、満を持して日本での公開となった。その後の大ヒットはご存知の通りだ。
ズートピアも前述した通り、すでに全米・カナダでは4月14日時点で累計3億ドル(約330億円)に迫る大ヒットとなっている。アナ雪と同じ流れになるならば、日本でも大ヒットの可能性がある。
アナ雪がヒットした7つの要因をズートピアも取り入れている?
次にアナと雪の女王がヒットした7つの要因について、「ズートピアではどうか」という点で考察してみよう。
⑴ 公開前に公式Webサイトでの情報出し
アナと雪の女王は、封切り前のプロモーション期間に3分以上の「Let It Go」のフルコーラスの予告編を流すなどの大胆な情報出しをしていた。
ズートピアでは……
公式HPで「もしもあなたがズートピアの住人だったら?」というキャラクター診断や映画の徹底解明コンテンツなどを配信し、公開前から楽しめるようになっている。
⑵ ターゲットを明確化
ターゲットを女性に絞り、「完璧でない、コンプレックスを持った女の子であるアナとエルサ」に自分を重ねやすく、「自由な自分、ありのままに生きたい」「“王子様”を必要としない」という自立した女性像は女性たちの共感を呼んだ。
ズートピアでは……
あえてターゲットを絞らず、登場人物を多くすることで、自分に似たキャラクターに、感情移入をしやすくしている。公開された国では、映画観賞後にズートピアの住人を自分や身近な人物に置き換えて話が盛り上がっているようだ。
⑶ リピーターの存在
字幕版、吹き替え版、一緒に歌えるシング・アロング版など複数の楽しみ方があった点もリピーターを増やし、長期的なヒットにつながっている。幼稚園〜小学校くらいの年齢の女児にも人気があったので、親子でリピーターとして通ったケースもあったようだ。一部のリピーターの中では隠れミッキー探しに熱中していたという声もある。
ズートピアでは……
鑑賞後の感想や高評価が幅広い客層へ情報拡散され、海外ではリピーター獲得につながっている。韓国映画振興委員会の広報会社側は面白いという口コミが広がったこともあり、リピーターも多いと話している。
⑷ コラボ商品も発売
ブルボン <2208> 、キリンホールディングス <2503> 、ロッテなどの食品のコラボレーションから、レスポートサックやZoffとのファッションアイテムのコラボレーションまで幅広い。
ズートピアでは……
すでにサマンサタバサジャパンリミテッド <7829> から「ズートピア」シリーズ、財布、クラッチバッグなどが発売され、巾着やバッグなどのファッションアイテムやTシャツは渋谷109メンズ店でも発売されている。ヒットすれば、さらにバリエーションは広がるだろう。
⑸ 主題歌の大ヒット
映画を見ていなくとも、曲は聞いたことがあるという人がいるほど、主題歌効果は絶大だった。公式You Tubeチャンネルが配信する25カ国語バージョンを始め、ソーシャルメディアをうまく活用していた。注目すべきはYou Tubeへの一般のユーザーからの投稿が追い風となったことだ。ディズニー側もこういった動画をあえて黙認し、さらなるヒットにつながった。
ズートピアでは……
コロンビア出身の歌姫シャキーラが歌う「Try Everything」を日本語版はE-GirlsのDream Amiが歌う。公式HPでは歌詞カードのダウンロードもでき、「失敗したって、何度でも頑張るわ!」という前向きなメッセージが込められた歌詞になっている。
https://youtu.be/i20QSzELhWY?list=PLuLW12lxUp4XweiSas-LoG-IFAN9932sl
ズートピアは4月23日(土)から全国ロードショー。ゴールデンウィークを追い風に日本でもどこまで「アナ雪」に迫れるか注目だ。(ZUU online編集部)
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