13日の東京市場は、106円76銭で始まり、英国のEU離脱懸念の高まりから105円73銭まで下落した。海外市場では、106円台半ばまで戻す場面もあったものの、世論調査でEU離脱が優勢であることが報道されると、106円程度まで下落し、そのままニューヨーククローズとなった。
14日の東京市場は、朝方に106円42銭の高値を付けたものの、EU離脱懸念と日本株の下落から、一時、105円61銭を付けた。ただ、海外市場では、米小売売上高が良好な結果となったことなどから、106円台まで値を戻した。
15日の東京市場は、英国のEU離脱懸念はくすぶっていたものの、ゴトウビのドル需要から上昇し、海外市場序盤に106円41銭まで上昇した。しかしながら、FOMCで利上げの見送りと成長率見通しの引き下げが発表されると、一時、105円40銭まで下落した。
16日の東京市場は、イエレンFRB議長の発言などから106円台で始まったものの、日銀金融政策決定会合で追加緩和が発表されず、現状維持となったことで、一時、103円54銭まで下落した。海外市場では、買戻しの動きもあり、104円台前半でニューヨーククローズとなった。
17日の東京市場は、「金融庁・財務省・日銀で情報交換会合」を行ったとの報道から104円台後半まで値を戻したものの長くは続かず、104円台前半まで押し戻された。海外市場では、方向感の乏しい展開となり、104円台前半で推移した。
今週の為替展望
今週注目される経済指標は、20日の5月貿易統計、21日の日銀金融政策決定会合議事要旨、22日の米5月中古住宅販売件数、23日の米5月新築住宅販売件数、米5月CB景気先行総合指数、24日の日銀金融政策決定会合「主な意見」などが予定されている。また、21日から22日に、イエレンFRB議長の上下院での議会証言が予定されており、23日には、英国でEU残留の是非を問う国民投票が実施される見込みである。
今週の外国為替であるが、市場の関心は、英国の国民投票に移っており、その報道や結果に左右される展開が想定される。世論調査会社「Survation」の調査によれば、EU離脱派が45%と残留派を3ポイント上回っており、やはり円高方向が想定されるものの、残留運動の推進者の一人だったジョー・コックス氏の襲撃されたことで、事件が転換点となり、残留派に有利に働く可能性もある。
さらに、2014年のスコットランドの英国からの独立の是非を問う住民投票でも、事前の世論調査では、独立派が増大していたものの、結局残留となったことを考慮すれば、今回も同様の流れが想定される。市場でEU離脱リスクから過度な円高が進んでいることを考えれば、ショートカバーなども重なって急激に円安が進む可能性があるはずだ。
テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドはローソク足が、マイナス2σ付近まで伸びており、週足14週のRSIは、30%台前半となっていることから、やや円が買われ過ぎといえる水準となっている。
以上を考慮すれば、EU残留期待と、テクニカル面から強気で考えるのが妥当である。ただし、EU離脱による市場の混乱の可能性などから積極的にポジション(特にGBP/JPYやEUR/JPYなど)を傾けるべきではないだろう。(ZUU online 編集部)
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