不動産投資
(写真=PIXTA)

不動産は一つ一つが独自のもの。同じものは二つと無い。その分、購入前に色々と調査し、正しく評価する必要がある。今回は、事前調査の3つの種類と勘どころを紹介する。

事前調査1.机上での事前情報収集

最初にやるべきは机上での事前情報収集だ。ネット時代とあって自宅にいながらにして、ある程度のことが分かるのは本当にありがたい。ここで現地調査すべき物件を絞り込むことができる。

確認すべきは、路線価、近隣相場、Google Mapで分かる周辺環境などだ。特に販売物件と同等の賃貸物件の家賃相場を調べることは重要。販売物件の募集家賃設定が妥当なのか割高なのか、判断する必要がある。満室想定家賃を高く見せるため割高な家賃設定で計算している場合があるのだ。販売情報にある想定家賃が正しいとは限らない。

また現地調査物件を絞り込んだら、収支シミュレーションは必ず実行して欲しい。投資予定額に対するキャッシュフロー率や家賃収入に対するローンの返済比率は重要な判断材料になる。投資は数字と心得よう。

事前調査2.現地での徒歩調査

机上での事前調査に合格すれば次はいよいよ現地調査だ。この場合、車で現地に行って、物件だけ見て帰るようなやり方はできるだけ避けたい。オススメは最寄り駅からの徒歩調査だ。

駅、もしくは最寄りのバス停から物件まで歩くことによって、入居者の目線で周辺の雰囲気を感じることができる。駅前は買い物に便利か? コンビニや飲食店はあるか? 街並みは綺麗か? ファミリー層狙いなら学校や病院の場所の確認も必要だ。

室内を確認できない場合でも、外観のチェックだけでも現地に行く価値はある。建物のひび割れ、錆びなどがあれば写真に撮っておこう。管理状況が良くなければ、価格交渉の材料として使うこともできる。接道状況や道幅も物件の価値に影響するので、忘れず確認しよう。

サラリーマンの場合は平日には時間が取れないことも多いが、初心者は調査をサボってはいけない。会社帰りの夜に行けばよいのだ。日中のような確認はできないが、逆に周辺の夜の街の雰囲気を知ることができる。ベテランになるまでは現地調査は必須と心得ておこう。

事前調査3.近隣での聞き取り調査

最後に念押ししたいのが、近隣での聞き取り調査だ。近隣の住民や不動産会社へヒアリングするのだ。かなり億劫なことなので、これをせずに物件だけ見て帰る人が多いが、実は成功者はこれをとても重要視している。地元の仲介会社ならではの貴重な情報を得られることが多いのだ。

いきなり知らない仲介会社に飛び込むことはとても勇気が要るが、相手からすると、物件の購入希望者は将来の管理を任せてくれるかもしれない得意先候補のため、以外と親切に応対してくれる。

筆者の入っている投資サークルでは、何人かで一緒に訪問することで心細さを小さくし、場慣れすることを試している。一度でも経験すれば、ぐんと楽に出来るようになるのだ。ぜひあなたも聞き取り調査して欲しい。

「家賃設定は妥当でしょうか?」「家賃相場はどのぐらいですかね?」「空室率はどのぐらい?」などなど・・・、どんどん聞いてみよう。

物件調査の帰りにふらりと立ち寄った仲介会社で、国立大学のアパートに対する施策変更を聞き込んだり、大規模施設の移転話を聞きつけたりした例もある。地元民しか知らない情報で購入判断の参考になるのだ。

自宅から遠く離れた場所の情報はなかなか入ってこないが、地元に住んでいれば以外と早めに分かるもの。「地元のことは地元に聞け!」が鉄則。これを忘れないようにしよう。3つの事前調査を使いこなし、ぜひ価値ある物件を見つけて欲しい。

山本 常勝(やまもと つねかつ)
サラリーマン不動産投資家。定年の声が近づく中、自分年金作りを目標に53歳から本格的に不動産の勉強を始め、数多くの不動産を取得して賃貸事業を拡大、2.7億円の資産形成に成功する。登録メンバー1600名を誇る不動産投資サークル「 ふどうさんぽ 」事務局を務めながら、ファイナンシャル・プランナー(AFP)としても情報発信中。

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