VRは「メディアの未来」を拓く

VR/ARについては、仮想世界に没入するための機器として、頭に装着するゴーグル型画面であるヘッドマウントディスプレイ(HMD)がようやく市場に投入されるなど注目を集めてきた。その一つが10月発売予定のソニーのPSVRで、先立って発売された米Oculus Riftも大きな存在感を示すHMDとなっている。

Channavasin氏はVRの現状について「VRの技術はまだモバイルフォンのボットレーフォンの時代に過ぎない。ビジュアル的なディスプレイが進化し、タッチ機能も出てくるのではないか。今後は匂いや味を体感させられるかもしれない。思考についても、インプットという点で、脳派を使うことも必要になっていくだろう」と、長期的な見通しを語った。

同氏はさらにVRの現状について解説。「VRは新たな技術ではなく、メディアとして人間の感覚を錯覚させ、より没入させられる媒体」だとした上で、伝統的にはフィルムやコンピュータなどはAVを体験できるがVRは奥行きやアタマのモーションを追跡することも可能だとした。

さらに、伝統的には、フラットのTV、スクリーンに投影されたものをみることができる。また「3Dテレビについては、やはりポップアップされたものを見られるが、これはまだスクリーンの枠が存在する」が、「VRについてはスクリーンの枠がなく、2Dから進化し、没入型の体験を出来る」(Chennavasin氏)。つまり、視覚、オーディオを用いてその場にいる感覚にさせられる違いがあるというのだ。

VRの、HMDに加わる幅広いビジネス機会

またVRは新たな成長をもたらすテーマとしてももちろん、注目を集めている。ビジネスにおける可能性もさらに、「VR産業革命」の講演から探ってみよう。

もちろん、頭に装着するゴーグル型画面であるヘッドマウントディスプレイ(HMD)がようやく市場に投入され、市場関係者からの期待も高まっているとみられる。消費者もソニーのPSVR、Oculus Riftでの新感覚の体験を心待ちにしているところだろう。

Chennavasin氏の講演によれば、VRに関わるビジネス機会は、HMDや入力機器などハードウェアから、VRのエンターテインメント、ドキュメンタリーコンテンツまで幅広いという。さまざまなVR体験を実現するために、手にもってVR内での動きを操作するスティック型のコントローラーなどの入力装置から、3Dの映像の編集製作用のソフトウェアなどだ。

ほかにも、音楽配信プラットフォームとなるiTunesやSpotifyと同様にVRの映像などコンテンツの提供者と、ユーザーをつなぐ機能も必要とされるという。ほかにも、VRのための映像を撮影するためのカメラなど、撮影機器ももちろん必要。バリューチェーン全体を構想すれば、ビジネス機会も幅広く、大きな潜在力を秘めていそうだ。

イベント「VR産業革命」は全6回で、次回は8月ごろに、「VRと介護」をテーマに行われる予定だ。(ZUU online 編集部)

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