決算銘柄,円高,ドル
(写真=PIXTA)

世界景気の先行き不透明感と為替の急激な円高を背景に、業績予想の下ブレリスクが高まっている。輸出型を中心に為替感応度の大きい企業については、4〜6月(3月期決算企業の第1四半期)決算発表時での下方修正が見込まれる。ただ、そうした中には先行して株価が大きく下落している銘柄もあり、逆に「悪材料出尽くし」を狙うチャンスと言える。

1ドル=101円前後、1ユーロ=112円前後の為替レートの時価に対し、日本企業の多くは収益前提をドルで105〜110円に設定している。このため、円高方向に見直す場合に、収益予想の下方修正を余儀なくされるケースが相次ぐ可能性が高い。

特に、1円変動時の感応度が大きい企業はそうした懸念が強い。さらに、英国のEU(欧州連合)離脱決定や伊銀行の不良債権問題を背景に、欧州依存度の高いマツダ <7261> などは早期の下方修正が必至との見方が市場で根強い。

マツダ、悪材料織り込み済みか/ヤマハ発は指数採用期待も

ただ、マツダの株価は既に年初来で約50%、ここ2カ月だけでも27%調整している。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回り、配当利回りも3%に迫るなど下値余地は限定的とみられ、実際に下方修正が発表された場合はアク抜け感から買われる展開も想定される。

このほか、自動車では12月期決算で通期為替前提が1ドル=117円、1ユーロ=127円のヤマハ発動機 <7272> も下方修正が濃厚だが、配当利回り4.9%の割安感に加え、日経平均株価の新規構成銘柄候補である点も見逃せない。また、利回りの面での割安感はないが、大阪チタニウムテクノロジーズ <5726> や東邦チタニウム <5727> も決算での悪材料出尽くし期待銘柄だ。(7月8日株式新聞掲載記事)

アク抜け候補

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