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(写真=PIXTA)

世界有数の経済誌・フォーブスが「2016年版世界長者番付」を3月に発表した。1位に輝いたのはマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏、2位はZARA創業者のアマンシオ・オルテガ氏、そして3位につけたのが今回記事で紹介していくウォーレン・バフェット氏だ。1位と2位が世界的な起業家であるのに対し、バフェット氏は世界的な「投資家」として名声を得ている。

バフェット氏は世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEO (最高経営責任者) を務めているものの、同社から受け取っている報酬は彼の功績を考えると、わずか年間10万ドルにすぎないという。総額608億ドルにのぼる資産は、もっぱら株式投資によって築き上げてきたとのことだ。多数の海外メディアが、「投資の神様」がこれまでどのように資産を築いてきたか紹介している。以下で年代別に見ていこう。

年代別に見るバフェット氏

20代になったばかりの頃、バフェット氏の総資産は2万ドル程度で、けっして生まれながらにして裕福であったわけではなさそうだ。しかし、「バリュー (割安株) 投資の父」と崇められるベンジャミン・グレアム氏との出会いを機にめきめきと頭角を現し、20代半ばには14万ドルまで資産を増やした。

そして、30代の時点で100万ドルを突破した資産は40代後半に6,700万ドルに達し、56歳にしてついにバフェット氏は億万長者の仲間入りを果たしている。さらに、その後はいっそう加速をつけて資産を増やしていき、60代半ばで165億ドルに達し、70代になって早々に350億ドルを突破した。

しかも、70代になってからかなりの割合を慈善団体に寄付してきたにもかかわらず資産はどんどん増えていき、先で触れたような規模に及んでいる。これだけの財を成すことができたバフェット氏の株式投資には、いったいどのような特徴があるのだろうか。
「その企業に内在する価値と、市場価格との差に着目して利益を得ること。価値が1億ドルの事業を9,900万ドルで買ってはいけない」

こうした言葉を残しているように、バフェット氏は師匠であるグレアム氏の教えを基本的に継承しているようだ。そのうえで、彼は自分自身が目をつける企業をさらに絞り込んでいる。

それは誰もが理解しやすい内容で、しかも流行り廃りの無いビジネスを営み、長く潤沢なキャッシュフローを生み出し続けている企業だ。こうした条件を満たす銘柄だけを厳選して長期保有していれば、着実に株価の上昇が期待できると考えているわけである。