「新興市場×機関投資家」の5%報告は急騰のシグナル

5%といっても大型株の5%と小型株、特に新興市場の5%はインパクトが違ってくる。小型株を大量保有する投資信託などの5%報告がでてくると、新興市場株は急騰することが多い。新興市場株は、個人の売買が主力であるだけに、長期保有とみられる機関投資家の手口を好感することが非常に多いのだ。

たとえば、マザーズ上場で葬儀・仏壇・お墓のポータルサイト運営の鎌倉新書 <6184>。2016年4月6日に大和証券投資信託委託の名義が5.13%で出てきたことが、場中にEDINETで報告されると、当日の株価は305円高(9.2%高)の3620円と急騰した。さらに4月21日の報告書で7.84%まで買い増したことが伝えられると、当日700円高(17.7%高)とストップ高の4665円までの高騰を演じた。その後、個人投資家に人気となり、4月25日には5070円高値まで買われている。

小型株を積極的にポートフォリオに加えることで知られる「ひふみ投信」のレオス・キャピタルワークスの名義も好感されることが多いため追い続けると面白いだろう。

ファンドの保有銘柄に相乗りも立派な戦略?

ここで、注目しておきたいファンドをいくつか紹介しておこう。

・ブラックロック/米運用大手で日本株を世界一保有、ETFなどパッシブ系大手
・フィデリティ、FMR/米投資信託大手でアクティブ系の小型株長期運用が得意
・JPモルガン・アセット・マネジメント/米資産運用大手、小型株が得意
・キャピタル・グループ/米資産運用大手、大型株長期投資が主体
・ブランデス/米資産運用大手、超割安株の超長期投資
・野村アセットマネジメント/日本運用会社最大手
・大和証券投資信託委託/日本運用会社大手
・エフィッシモ・キャピタル・マネジメント/アクティビスト系ヘッジファンド
・レオス・キャピタルワークス/独立系投資顧問
・タワー投資顧問/独立系投資顧問

5%ルール報告を集めたサイトも多数存在するが、EDINETでの提出が義務づけられていることから、どのサイトもベース情報はEDINETだ。「書類検索」から提出者の名前を入れると、該当の大量保有報告書一覧がチェックできる。名前を空欄のまま、大量報告書を選んで検索すると直近報告の大量保有報告書一覧が表示される。提出の日時だけでなく、時間も表示されるので、場中に開示されているかどうか、引け後かどうかも見ておこう。

ただ5%ルールで気をつけなければならない点もある。提出義務は5営業日内なので、週末をはさむと1週間ほど遅れた情報だということだ。5%ルールに名前がでて、市場で買われた時に、その保有者はすでに売ってしまっていることもあり得る点には注意が必要だ。

米国でも、ウォーレン・バフェット氏や有名ファンドであるフィデリティのコピーをするファンドもあるという。自分が気に入っているファンドやファンドマネージャーの保有銘柄に相乗りするのも立派な投資法だ。お手本となる投資家やファンドを探してみてはいかがだろうか。(ZUU online編集部)

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