日本株銘柄フォーカス,すかいらーく
(写真=PIXTA)

トップラインが厳しいなかコスト削減で二桁増益を確保

すかいらーくが10日に発表した上期(1-6月期)の決算は、売上高が前年同期比0.2%増収、営業利益が同12.4%増益となりました。売上高は上期の既存店売上高が前年上期比で0.9%マイナスとなるなか新店の寄与で微増ながら増収を確保したものの、第2四半期(4-6月期)の3カ月間でみると前年の第2四半期を下回るなど、トップラインは厳しい状況が続いています。

営業利益は二桁の増益から中間期として過去最高益を更新しています。トップラインが伸び悩むなかで、高水準の粗利益率を確保したことや販管費の削減が寄与しています。第2四半期に粗利益率が業態を超えた食材の一括発注や円高、採算性の向上などでこれまでの最高水準に近いレベルとなったほか、販管費も9億円削減しています。

すかいらーくでは、消費者の節約志向が強いなか年内一杯トップラインの厳しい状況が続くとみています。足元では7月の既存店売上高が前年同月比3.5%プラスと5カ月ぶりに上昇し高い伸びとなりましたが、このうち3.1%が曜日影響で、実態は小幅な伸びに止まったというのがすかいらーくの分析です。

こうしたなかすかいらーくでは6月にグランドメニューを大幅に改定したガストで9月以降にフェアメニューを投入して客単価アップを図る計画です。また、円高のメリットが10月ぐらいから本格的に寄与してくることもあって通期の業績見通し(売上高で前期比2.5%増収、営業利益で同13.3%増益)を据え置いています。

金山敏之(かなやま・としゆき)
マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト

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