「脱・産みの苦しみ出産社会」を目指して-少子化社会データ再考:国際的に見た女性活躍と脱少子化に不利な日本のある特徴とは-
要旨
医療関係者はさておき一般的には、日本が国際的に見て「出産に関して非常にユニークさをもった先進国」であることはあまり知られていないかもしれない。
そして、そのユニークさがこれからの日本の女性活躍推進や脱・少子化に暗い影を落としかねないことも強く認識はされていないように思われる。
本稿では、この日本の出産におけるユニークな特徴を国際比較ならびに国内データを検証することにより明らかにし、その「壁の高さ」を指摘する。また、今後どのような方向性が望まれるかについて、あくまでも脱・少子化を担う「消費者(出産する者)の立場」から、考えを示している。
日本において、
1人でも多くの母親が笑顔の育児ライフのスタートをきることが出来るような、
そして、
1人でも多くのベビーが満面の母の笑顔に1日でも早く触れることができるような、
そんな社会作りへの考察の一助となれば幸いである。
はじめに
産科医療の世界ではよく知られていることであるが、一般的には日本が出産に関して国際的に見て非常にユニークさをもった先進国であることはあまり知られていないように思う。
そしてそのユニークさがこれからの日本の女性活躍推進や脱・少子化に暗い影を落としかねないことも知られてはいないだろう。
本稿では、この日本の出産におけるユニークな特徴をデータでみることにより、その「壁の高さ」を指摘する。また、今後どのような方向性が望まれるかについて、あくまでも脱・少子化を担う「消費者(出産する者)の立場」から、考えを示してみたい。