入居付けしたい物件、したくない物件

大家さんにとっては大切な所有物件でも、入居付け業者から見れば、数ある物件の中の一つに過ぎません。入居付け業者もビジネスである以上、効率を追求するのは当然です。「入居付けしたい物件」と「そうでない物件」が出てきてしまうのは仕方がありません。結局、案内をしてもなかなか契約に至らないような物件は、案内自体を避けるようになるのです。

具体的には、どのような物件が入居付け業者から敬遠されるのでしょうか。また、その回避策はあるのでしょうか。

1. 競争力の弱い物件
まず、競合物件に比べて見劣りするような物件は成約率が悪いため、敬遠されがちです。実際に数人の入居希望者を案内しても、契約まで至らなかった場合は、入居付け業者の中での優先順位は、大幅に下がってしまいます。

そうした物件は、外壁などの塗装や照明器具の交換、住宅設備(給湯器や便座など)の更新など、競合物件よりも魅力的にしていくことが必要です。その上で、新しくした部分の写真や、物件周辺の環境写真を用意するなど、入居希望者にアピールできる材料をたくさん提供していきます。

また、敷金礼金を無料にするゼロゼロキャンペーンや、一定期間家賃を0円にするフリーレントといった入居促進キャンペーンを実施すれば、優先的に入居付けしてもらえる可能性が高まります。

2. 客付け後に手のかかる物件
賃貸管理まで引き受けている入居付け会社の場合、入居後にたびたびクレームや問い合わせが入るような物件も敬遠しがちです。

例えば、原状回復やリフォームが中途半端で、「住んでいるうちに不具合が生じた」とクレームが入るような物件です。あるいは、設備が古くて「使い方が分からない」「故障した」といった問い合わせが入ることが多い物件の場合も、積極的には紹介しないでしょう。

入居付け業者にとって、入居者が安心して快適に暮らすことのできる物件は「手離れの良い物件」であり、このような物件を優先的に紹介するのです。従って大家さんもまた、入居者が安心・快適に暮らせる物件にしておくことが大切です。

マイカーを購入する際、ホームページやカタログだけで契約する人はほとんどいません。実車を見て、試乗してから契約するのが普通でしょう。賃貸住宅もまた同じです。情報サイトや広告だけでなく、実際に物件に足を運び、内見してから契約に至ります。その過程で、入居希望者の悩みや不安を取り除き、最終的にすべてを納得してもらい、契約させる役割を担うのが入居付け業者です。優れた入居付け業者の働きかけが、極めて重要と言えます。(提供: 不動産投資ジャーナル

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