積極的な情報発信が対応策の基本

ここで諸刃の剣となりうるのが、貿易に関するクリントン氏の強硬姿勢だ。報復関税や輸入品へのより高い関税など、主に中国を念頭に置いたと思われる政策を標榜している。しかし、製造業などを中心に国内からの突き上げを受ければ、矛先が日本の自動車産業や電子部品、鉄鋼などにも向かいかねない。守るものは守りつつ、少々の円高は許容するなど、日本側のバランス感覚が要求される局面になろう。

また、日本が1980年代以来進めてきた製造拠点の米国移転や米国債の大量購入などで、どれだけ米国に恩恵を還流してきたかについて、日米友好ムードが高止まりしている今だからこそ、大々的に米国民に発信する必要がある。「クリントン大統領」が中国も日本もひっくるめてネガティブなイメージを根付かせる前に、先手を打つのだ。

国防面でも、トランプ氏の「日本安保ただ乗り論」に反論する形で、「米国の安全を守る同盟国として、米国の安保を脅かす中国や北朝鮮と最前線で日々対峙する日本」のイメージを宣伝し、米国民や米メディアが「クリントン大統領」に日本を支援する形の外交や対日政策を行うことを要望するよう、民意を誘導する必要もあるだろう。

幸い、日本のイメージ発信はリオデジャネイロ五輪閉会式の「安倍マリオ」のように、米国を含む世界から非常に好意的に受け止められている。その勢いに乗り、米国民にポジティブな日本観を定着させることが「クリントン大統領」に日本をバッシングのターゲットにさせない、効果的な対応策かもしれない。(提供: 百計オンライン

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