M&A
(写真=PIXTA)

M&Aで事業を拡大したい。しかしながら誰かにサポートしてもらわないとどうしてよいかわからない。一般的に、M&Aをすべて買い手の企業のみで行うということは稀であり、サポートする企業にアドバイスを受けながら実行していくのが通例だ。

そこで、M&Aで事業拡大する企業をサポートするシステムがどのようになっているのか、また、どのような企業がサポートしてくれるのか解説していくことにしよう。

事業拡大のリスクについて

M&Aで事業拡大を行う場合、売上や利益が拡大するメリットもあるが、うまく行うことができなかった場合には、負の遺産を背負うデメリットもある。これは、期待した収益やシナジー効果が得られなかった場合や、M&Aを実施したことにより買収された企業の従業員が離反し、ノウハウが得られなかったといった場合が該当する。

また、M&Aに限らず事業拡大を行う場合のリスクとしては、新規商品の投入などにより売上拡大を図ったものの、市場ニーズにマッチしなかった場合や、グループ会社を円滑に運営できる幹部クラスの従業員の確保ができない場合なども、業績にマイナスとなるおそれがある。

さらには、市場が拡大しているものの、国内外の競合企業との厳しい競争から、販売価格の低下やシェアの低下が進むと、業績に悪影響をもたらすことになりかねない。同業者の買収を行っても、こうした状況ではシナジー効果が見込めることができるかどうかはわからない。

こうした事業拡大リスクやM&Aによるリスクは、事前に自社だけでは想定できない可能性がある。そこで、事業拡大のサポートシステムを利用することにより、こうしたリスクをできるだけ減らしつつ、着実に成長を遂げる事業拡大を行っていくようにすることが無難なのだ。

事業拡大のサポートシステムとは?

それでは事業拡大のサポートシステムとは一体どのようなものなのだろうか。事業拡大サポートシステムとは、販路拡大のための取引先の紹介や、海外などへの進出のためのサポート、M&A案件の紹介から交渉、アフターフォローまでを行うシステムであり、事業拡大をどのように行っていくべきか悩む経営者のためのサポートといってよいだろう。

具体的には、補助金の申請支援や事業計画の策定支援といった経営サポートをはじめ、販路拡大のための業務提携を探るビジネスマッチング、グローバルネットワークを利用した海外での事業展開支援などが行われる。そして、M&Aにより事業拡大を行いたい企業には、ニーズに合った、シナジー効果の出そうなM&A候補企業の紹介を行ってくれる。

こうした事業拡大サポートシステムは、まさに、事業拡大を視野に入れる企業の経営者にとっては、使わない手はないだろう。そして、事業拡大サポートを行う企業と、様々な可能性を探っていくことで活路を見出すことが、事業拡大リスクを減らすためにも有用な手段といえる。