M&A
(写真=PIXTA)

昨今では大手企業だけでなく、中小企業間においてもM&A(企業の合併・買収)が行われることが日常化している。M&Aを成功させるためには、相手が「ヤバい企業」でないか見抜くことが重要である。

M&Aにおける「ヤバい企業」とは?

M&Aには多大な労力と時間を要するため、交渉先企業の選定が非常に重要である。M&Aにおいて「ヤバい企業」とは交渉先として望ましくない企業であり、以下のような結果を生む企業を指す。

A. 当該企業と交渉しても、M&Aが成立しない可能性が高いか、成立しても希望した結果を得られない可能性がある企業
B. 買い案件の場合は、買い先側の本体企業にも悪影響を与える企業

このような企業の見分け方を、買い先企業と売り先企業の場合に分け、以下にポイントとして示す。

買い先で良くない会社の4つの条件

自分が売り側の場合、買い先の企業に求めるものとして大切なのは、取引が確実に終了できるかどうかが主なものとなる。また、売却後に会社が問題なく継続できるかも大事である。そのため、以下のような状況が見られる会社の場合は注意が必要である。

1. M&Aを仕掛ける目的が不明確である

M&Aをする場合、買い手側企業には各社それぞれの「目的」がある。その目的がハッキリしない場合や、十分に理解できない場合には注意が必要である。このような場合は、取引が成立しないことや、成立しても価格が抑えられてしまうことが考えられる。

2. 買い手側の資金調達能力に不安がある

M&Aを行うには、株式交換等の手法を使わない場合、多額の現金が必要となる。M&A案件は、不動産等と異なり取得する資産が担保に向かないため、双方企業の財務内容と統合後の事業計画の内容が資金調達の結果を左右する。資金が調達できなければ、どれだけ時間をかけて交渉しても取引が成立しない可能性があるため、買い手企業の資金調達能力は重要なファクターである。

3. 意思決定の統一性に問題(取締役・株主が多い、社長がよく交代する等)

M&Aは、企業が行う決断としては極めて重いものとなる。そのため、経営陣・株主の意思統一と協力体制が不可欠である。あまりに利害関係人が多いと、意思決定が統一できない可能性がある。

4. 過去のM&Aが上手くいっていない

M&Aとは言わば会社同士の結婚であり、うまくいくためには条件面だけでなく社風や経営陣、従業員の価値観等の融合も必要である。その点、過去のM&Aが上手くいっていない会社では、違う文化との融合が不得意である可能性があるので、注意が必要となってくる。