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5月1日、政府は「国家戦略特別区域及び区域方針」を決定しました。東京圏、関西圏、新潟県新潟市、兵庫県養父市、福岡県福岡市、沖縄県の6区域を国家戦略特区として指定しました。国家戦略特区の概要と注目産業について、ご紹介します。


国家戦略特区の概要

2014年5月1日、政府は「国家戦略特別区域及び区域方針」を決定しました。決定した区域は、次の6区域です。

① 東京圏:東京都23区のうち9つの区、神奈川県、千葉県成田市
② 関西圏:大阪府、兵庫県、京都府
③ 新潟県新潟市
④ 兵庫県養父市
⑤ 福岡県福岡市
⑥ 沖縄県

国家戦略特区は、日本経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革を実行していくための突破口として、「居住環境を含め、世界と戦える国家都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点整備」といった観点から、特例的な措置を組み合わせて講じ、世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出することを目的としています。 ①東京圏は国際ビジネス、イノベーション拠点、②関西圏は医療等イノベーション拠点、チャレンジ人材支援、③新潟県新潟市は大規模農業の改革拠点、④兵庫県養父市は中山間地農業の改革拠点、⑤福岡県福岡市は創業のための雇用改革拠点、⑥沖縄県は国際観光拠点と位置付けられています。

以下、国家戦略特区に関連する注目産業について、見ていきます。東京圏の土地再生・まちづくり、関西圏の医療、沖縄県の観光、新潟市および養父市の農業を取り上げます。


注目産業 1:都市再生・まちづくり

東京圏は都市再生・まちづくりに関連して、「2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを視野に、世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備することにより、世界から資金・人材・企業等を集める国際的ビジネス拠点を形成する。」と、目標を掲げています。政策課題として、外国人居住者向けを含め、ビジネスを支える生活環境の整備や、オリンピック・パラリンピックを視野に入れた国際都市にふさわしい都市・交通機能の強化が挙げられています。容積率を緩和し、大規模な都市再開発を促し、「職住近接」や国際ビジネスの促進につなげようとしています。道路空間のエリアマネジメントの民間開放や道路の占有基準の緩和もおこなわれます。また、7日以上の滞在を条件に、旅館業法の適用を外して、アパートやマンションの空き部屋を外国人観光客向けの宿泊施設として使えるようにします。外国人観光客が安い宿泊費で長く日本に滞在できるようにするのが狙いです。


注目産業 2:医療

関西圏の目標は、健康・医療分野における国際的イノベーション拠点の形成を通じ、再生医療を始めとする先端的な医薬品・医療機器等の研究開発・事業化を推進するとともに、チャレンジングな人材の集まるビジネス環境を整えた国際都市を形成することです。政策課題として、高度医療の提供のための医療機関、研究機関、メーカー等の集積及び連携強化、および、先端的な医薬品、医療機器等の研究開発に関する阻害要因の撤廃、シーズの円滑な事業化・海外展開が挙げられています。iPS細胞を利用した再生医療の実用化、日本の技術力を生かした産学連携による病気の克服につながる創薬や医療機器の開発が期待されています。この他、高度な医療技術をもつ外国人医師の受入れ、病床の新設・増床の容認、保険外併用療法の拡充、医学部の新設などが検討されています。