中国,名前,英語,国際観
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「中国人なのになぜ英語の名前で呼ばれているのだろう」と、不思議に感じた経験はないだろうか。例えば中国名では「曉燕(シャオイェン)」さんなのに、本人は「Tiffany(ティファニー)」と名乗り、周囲にも「ティファニー」として認識されている。

そんな違和感のある光景について説明しつつ、欧米人の度肝をぬくキラキラ英ネームの中国人がなぜ増えているのか探ってみよう。

外国人にとって中国名は発音しにくい

かれこれ25年近く前の話だが、ジョンとキャシー(キャサリンの愛称)と名乗る香港出身の中国人カップルと仲良くなった。相当違和感はあったものの、当時まだ香港が英国領だった関係で英名の中国人が多いのだと筆者は勝手に納得していた。

ところがある日、彼らには秀英(シュイン)と深緑(シェンリュ)という立派な中国名があることを知り、そこで初めてジョンとキャシーはまったく架空の英語名であることが発覚した。

理由をたずねると「中国人の名前は外国人にとっては発音しにくいし、なかなか覚えてもらえないから」という理由で、勝手に英名をつけてしまう中国人は結構いるとのことだった。また中国人同士でもあえて英名で呼び合う場合も多いという。そしてその傾向は韓国や台湾にも広がっていると聞き、中国を始めとするほかのアジア諸国の国際観にカルチャーショックを覚えた記憶がある。

日本人には想像しがたい「国際観」

「呼びにくい・覚えにくい」を理由にするのであれば、日本人の名前も外国人にとってはそれほど呼びやすい・覚えやすいものではないだろう。しかしだからといって自らに欧米の名前をつけてしまう感覚や度胸が備わっている日本人は、いったいどれほどの割合で存在するのだろうか。

せいぜい「国際的な大人に育って欲しい」という希望を子供に託し、あえて漢字を英語の名前の当て字にしてしまう程度だろう。

いくら日本が国際化に力をいれても海外からは「国際性に乏しい」と評価されてしまう根本的な要因は、こうした大胆な感性に欠けている点にあるのかも知れないーーとまでいうとやはり大げさなのだろうが、同じアジア諸国でも計り知れない国際観の差があることは確かだ。

同じ職場に「スーパーマン」さんや「液体洗剤」さんがいる?

中国や韓国の人々が英名に走るのは「大きな国際観の差」ということで、日本人がとやかく口だしすることではない。

問題はここからだ。ここ数年で「キラキラ英名」を名乗る中国人が増えているという。ジョンやキャシーのような伝統的な英名ではなく、ちょっと個性をもたせたいという願望に基づいているのは明らかだが、英名をもつすべての中国人が英語を話すわけではない。つまり意味をあまり理解せず、あるいは名前によるインパクトをそれほど考えず軽い気持ちで、欧米人から見ると冷や汗ものの英名を名乗るケースが増えているというのだ。

実在する変わり英名をいくつかあげてみると、「スーパーマン(Superman)」「アップル(Apple)」「船(Boat)」。このあたりは個人の嗜好がもろにでたという印象で、自分では絶対に選ぶことはないと思いつつも微笑ましく感じる。

しかし「液体洗剤(Washing Liquid)」「紫のぶどう(Purple Grape)」までいくと最早名前ではなく固有名詞であり、「おかま(Twinkie)」「動物キャラが好きなオタク( Furry)」と名乗られても呼ぶ方が躊躇してしまうだけだ。

自らを「タンタン(TanTan)です」と名乗る人と、真面目なビジネス交渉はしづらいだろう。

すでに利用者1000人を突破した中国人専用英語名づけサイト「ベスト・イングリッシュ・ネーム・コム」

そこで登場したのが中国人専用英語名づけサイト「ベスト・イングリッシュ・ネーム・コム」だ。22ドル(約2298円)から「名乗っても呼ばれても恥ずかしくない英名」を、好みに合わせて選んでくれる。

立ちあげたのは26歳の米女性起業家、リンジー・ジェーニガン女史だ。上海で勤務していた際にキラキラ英ネームの仕事仲間が多いことに気づき、中国では英名を選択するための情報源が極端に少ない事実を知ったという。

サイト立ちあげからすでに1000人以上の名づけを行っており、一家で英語圏に移住する中国人用の「家族名づけプラン」なども提供しているそうだ。

「名前は第一印象を決める重要な自分というブランド名」というジェーニガン女史の言葉どおり、ブランド名が相手に不快感や不信感を与えるようでは台無しだ。せっかくの国際交流のチャンスを活かすためにも、ユニークだけれど馴染みやすく、かつ適切な英名の中国人が増えることを祈ろう。(ZUU online 編集部)

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