高齢者の職探しで最大の難関は「高齢者を受けいれる体制の整った雇用口探し」だろう。働きざかりの世代よりも体力的に負担が少なく、柔軟性に富んだ職が第一条件となる。

そこで近年、米国の高齢者の人気雇用先として急浮上中なのが配送サービス会社、Uberだ。運転手という職業はある意味「座り仕事」なうえ、フレックスタイム制(労働者が自主的に始業・就業時間を決めれる制度)なので、自分の体力と相談しながら労働時間を調節できる。ほかの定年退職後の職と比較すると、給与もはるかにいい。

米Uber運転手の2割が50代以上 高齢者採用キャンペーンも実施

平均寿命の伸びや高齢化にともない、働く高齢者が増えているのは世界共通の社会現象だ。米労働組合のデータによると、2016年9月の時点で905万人の米定年退職者(65歳以上)が就業している。

米国で40万人の運転手を雇用するUberではそのうち23%が50歳以上ということが、昨年末に実施されたサーベイから判明している。割合的には20代の運転手と同じだ。Uberの運転手の最大の魅力である「好きな時に働ける」という利点を活かし、定年退職後も自分のペースで就労する高齢者が増えているのも納得できる。

実際Uberの運転手の69%がパート勤務で、Uberも高齢者の採用に積極的だ。50歳以上の就労希望者には、月10回以上勤務するという条件で35ドル(約3659円)の契約キャンペーンなども実施している。

定年退職後Uberの運転手になって早2年という63歳の男性は、1日5時間、時間給30ドルを目指して週700ドル(約7万3185円)を稼ぎだしているというから、多くの正規雇用よりも割がいい。

シルバー運転手はピーク時を避けて車を走らせる傾向が強いため、若い運転手よりも20%ほど月給が少ないというサーベイ結果もでているが、生活の主要部分を支えるための労働でないのであれば、逆に賢い選択といえるだろう。

コミッション制(運賃の25%)や度重なる運賃の値下げを考慮しても、無理のない範囲で効率よく稼げるという点には変わりない。Uberのような革命的な発想で成功をおさめた企業が、これからも定年退職後の再就職先として米国の高齢化社会を支えていくだろう。(ZUU online 編集部)

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