日経平均予想ジ レンジ 17,100 ~ 17,613 円
今週は、堅調な欧米株高や円安進行を好感して、日経平均は3日続伸から4/28以来の高値水準(17,414円)を付けた。その後、短期的な過熱感から17,200円台後半に押し戻されたものの、週末には、105円台の為替が追い風となり、節目の17,500円を視野に入れる展開となった。
海外の焦点
米国では、主要企業の決算発表に一喜一憂。特に業績の振るわない企業の売り圧力は強く、広がりかけた楽観ムードに冷や水を浴びせられている。7-9月期米主要企業の純利益は前年同期比1.7%増の見通しだが、年内利上げによるドル高進行が今後の業績の足かせになる懸念が広がっている。結果として、NYダウは25日線を挟んだもみ合い相場から抜け出せない。
今週末7-9月期GDP速報値が発表される。市場予想は前期比3.0%増と高めの予想となっており、大きく下回れば年内利上げの織り込みに影響する可能性が考えられ、為替、株価の変動には留意しておきたい。
原油相場が節目の50ドルを割り込み警戒感が漂っている。10/28からOPEC技術委員会が開催されるが、それに先立ちロシア高官がOPECの減産計画に参加しない意向を示す一方、ベネズエラ石油鉱業相は非加盟国に日産40-50万バレルの減産を行うよう提案。同相は今週ロシアを含む産油国を訪問して原油相場の下支えに向けた対策の支持を呼び掛けている。
11/30のOPEC総会に向けて増産凍結あるいは減産で合意するのか目が離せない。原油安となれば米年内利上げシナリオに水を差すことも考えられる。
来週の株式相場
テクニカル面では、戻り高値17,613円(4/25)を上抜けることで2/12の一番底(14,865円)に対して、6/24の二番底(14,864円)でWボトムが完成する。となると、本格反騰への期待は一段と広がってくる。
今週は75日と200日線がゴールデンクロスを形成し、強気シグナルが点灯した。もっとも、25日騰落レシオが146.57(10/25)、サイコロジカルライン9勝3敗と高水準なだけに、短期的な調整局面の可能性は考慮しておきたい。ただ、7月以降の上値抵抗線(17,100円)は強いサポートとなる。
以上、来週は国内企業の決算本格化や米大統領選や金融政策などの不透明要因が控えている。これら重要イベントの結果を確認したい姿勢が強まりやすいだけに、次なる上昇相場に向けた足場固めの展開となろう。日経平均のレンジは、上値は4/25高値17,613円が意識され、下値は17,100円が目処となる。
伊藤嘉洋
岡三オンライン証券
チーフストラテジスト