華やかなで高給なイメージが強い広告業界に不穏な空気がたちこめていることが、最新の調査から明らかになった。

労働者の仕事に対する意欲を測る「USモラール・サーベイ」によると、広告業界で働く294人中31%が「(やる気が)ほとんどない」、16%が「怖いぐらいない」と回答したほか、リーダーシップへの不満が73%に達するなど、何らかの改善策が必要な時期に差しかかっているようだ。

最大の不満はリーダーシップの欠落 所得も意欲に影響

数々の仕事への充実度に関する調査で、最優先事項として挙げられることの多い「やる気」が、広告業界では著しく低下している。昨年第2四半期の調査結果と比較すると、仕事への意欲を失った従業員が13ポイントも増えている。

3大原因は「リーダーシップが発揮されていない(73%)」「広告の仕事が減った(45%) 」「仕事自体が不満(38%)」。次いで「多様性に欠ける(13%) 」「会社の業績が今ひとつ(14%)」などが挙げられている。

回答者が指摘しているように、クリエイティブな職業であるはずの広告業界が「1980年代や1990年代のアイデアの使い回し」となった近年、「従業員が広告業界の未来に希望を持てるようなソリューションが打ちだされていない」と、現状のリーダーシップへの不満がピークに達している。

最も意欲に欠ける層の63%は「転職活動中」だというのも納得できる。調査結果をさらに掘りさげてみると、所得も仕事への意欲に影響するようだ。年間所得50万ドル(約5235万円)以上の層に高意欲傾向が強いのに対し、10万1000ドルから25万ドル(約1057万円から2617万円)の層の意欲が最も低い。

これには勤務年数も関係しており、業界にはいって5年以内の従業員、特に年収が5万ドル(約523万円)にも満たない従業員の多くに、意欲喪失の傾向が見られる。

黒人やヒスパニック(ラテン系米国人)間での不満が目立つが、回答者の85%が白人であることを考慮すると、人種別の正確な分析はできないだろう。

一方高意欲層の原動力としては「仕事と私生活のバランス(62%)」「仕事への満足感(49%)」「クリエイティブな仕事が自由にできる環境(44%)」などが重要視されている。

広告産業に嫌気がさしているのは、誇張広告や似たような広告の繰り返しにうんざりしている消費者だけではなく、業界側も同じであるようだ。(ZUU online 編集部)

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