10/31-11/1に金融政策決定会合が行われた。ポイントは以下の通り。
金融政策決定会合のポイント
◆追加緩和は見送られ、前回9月21日に決定された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和(イールドカーブのコントロール)」も維持された (政策の概要は、後掲図表6参照)。
前回から導入されたイールドカーブのコントロール策で、長期金利は7月対比で大きく上昇した後落ち着いている(図表1)。長期金利のボラティリティは10月以降大幅に減少しているが(図表2)、今後も、日銀の購入や金融政策の安定化で金利は益々動きが少なくなる可能性が高い。
◆政策委員の物価見通しの引き下げ、2%の目標達成の先送り
本日発表された「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)によれば、日銀の政策委員のインフレ予想の中央値は、17年度、18年度ともに、7月時点から0.2ポイント程度引き下げられた。インフレ率2%の達成時期の予想も、2017年度中から18年度へと先送りされた。
足元の物価水準は、比較的高めに出やすい日銀の「基調的インフレ率」(生鮮食品やエネルギーを除く総合)ですらゼロに近づきつつある(図表3)。今回示された展望リポートによれば、2%の目標値と実績値のかい離は更に拡大しつつある(図表4)。政策委員の予想値は、原油価格の要素があるにしても、これを除いた日銀の「基調的インフレ率」よりも相当高い数字になっており、今後更に予想が下方修正される可能性があるだろう。
それでも、以前ほどは目標達成時期に縛られないことから、為替などの環境が急変しない限り、当面、マイナス金利深掘りや買入方針に大きな変更はなさそうだ。