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(写真=PIXTA)

日本の新幹線方式をインドの高速鉄道で採用、2018年に着工、23年に完成させることが、両国政府の間で合意される見通しになった。

政府関係者が明らかにしたところでは、インド西部のムンバイとアーメダバード間(約500km)としている。両駅間には12の駅をつくる予定で、最高速度は毎時320キロ。移動時間は現在の約8時間から一気に2時間半程度になるという。

総事業費は約1兆8000億円

報道によると、既に2015年12月の日印首脳会談で、日本の新幹線方式で建設する方針を確認している。新幹線方式の高速鉄道では、日本は総事業費9800億ルピー(約1兆8000億円)、最大8.1%で低利の円借款で供与することになっている。

その他、新幹線の建設や運営を担当する人材育成の協力も決め、運営ノウハウも提供する包括的なパッケージ型だ。インドの鉄道職員ら約4000人を、日本や現地で運行技術者の確保に向け育成するという。

パッケージ型とは、車両を含む土木・建築・軌道・電気・信号・運行管理システム・旅客サービス設備・一定期間のメンテナンスを総合的に提供する仕組みだ。新興国では鉄道運営の経験が蓄積されていないので、車両を単体だけでなく運営からメンテナンス事業まで提供するわけだ。これが「パッケージ型インフラ輸出」といわれる。

鉄道インフラは単体輸出からパッケージ型輸出へ

政府の「新成長戦略」では、アジアにおける新幹線・都市鉄道などのインフラ整備を支援することが盛り込まれている。鉄道が注目されている理由は、世界の鉄道市場の現状は各国で高速鉄道や都市鉄道を整備しようとする動きがあるからだ。

国際鉄道連合(UIC)によれば、全世界で運行・建設・計画中の高速鉄道は、4万2322kmになるという。新興国を中心に世界で200件以上のプロジェクトが進んでいる。

世界の鉄道市場は、2015から16年までを見ても年率2.0-2.5%の成長を続けると見られる。経済産業省の資料でも、市場規模は2007年時点で年間15.9兆円だったもののが、2020年には同22兆円(うち高速鉄道1.6兆円、都市鉄道等20.4兆円)に達すると見込まれている。

背景には都市人口増、交通需要の増加、道路渋滞、駐車スペースの問題、移動時間の短縮といった問題への関心が高まっていることがある。そこで出されたのが単体輸出からパッケージ型輸出ということだ。

残る路線を巡り各国の激しい競争

日本とインドの両政府は、2013年末から事業化調査を始めている。国際的な受注合戦が続くインドの高速鉄道建設の第1弾として日本のインフラ輸出に弾みがつきそうだ。しかし、インドのモディ首相は「メーク・イン・インディア(インドでつくろう)」として車両の現地生産などを希望している。

日本勢がどこまで受け入れるかは今後両国のすり合わせが必要だが、インド鉄道省の高官も「日本の技術は世界一であり、ともにこのプロジェクトを進めたい」としているという。JR、川崎重工業、日立製作所、といったところの見解が今後注目されそうだ。

しかし、インドの高速鉄道計画にはフランス・スペイン・中国といった国も強い関心を示していることから、今後も未開発が残る路線をめぐり激しい受注獲得競争が続くだろう。(ZUU online 編集部)

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