教育,習い事,スポーツ
(写真=PIXTA)

子供の習い事と言えば、英会話やピアノ・習字などを思いつく人も多いだろう。しかし、さまざまな調査やアンケートの結果を見ると、実はスポーツを習う子供の割合が意外にも多いことが分かる。

一般的には、習い事として主に勉強をさせることが子供の将来に役立つのではないかと考えるかもしれない。なぜ現代の親たちは、まだ小さな頃から子供たちにスポーツを習わせようとするのだろうか。

小学生までの子供に習わせる人気の注目スポーツとは?

各種アンケートの結果を見ると、ここ数年で子供の習い事スポーツ人気ナンバー1はたいてい水泳だ。男女や年齢の区分に関係なく、どのカテゴリーにおいてもまんべんなく人気となっている。

水泳は全身運動ということもあり、無理のない心肺機能の発達や筋力アップが期待できる。水中で上手に泳ぐには背中や足全体の姿勢も整える必要があり、関節の成長にも好影響を与えることができるのだ。

オリンピックや国際大会における日本競泳陣の活躍も、親や子供たちの憧れとなっているのであろう。水泳を鍛えることで、他のスポーツの基礎力を養うことができるところも魅力の一つだ。

水泳に続き、男女や年齢の枠を超えて人気がある子供の習い事スポーツは体操。水泳と同じく基礎体力と体軸を習得することができる。特にバランス力を養うには最適と言えるだろう。

リオ五輪において体操の日本男子代表が、団体で金メダルを獲得する大活躍を見せたことも記憶に新しい。

子供の習い事としてのスポーツ選びで基準となるのは、今後他のスポーツに移ったとしても活用できる基礎体力や筋力・姿勢などが身に付くこと、現に日本人が世界で活躍している競技であることなどが挙げられるのではないだろうか。

子供がスポーツを習うことで得られる3つのポイント

運動能力に深く関係する運動神経の発達は、遺伝がすべてではないと言われている。それは、後天的に運動神経を引き伸ばしてあげることも十分可能だということを意味する。

つまり、親が子供のスポーツに関し、どのような取り組み方をするのかで子供の能力が開花する状況が違ってくるようだ。 それは子供の成長にとって良い役割を果たしており、さらに知能の発達とも密接に関係しているとも考えられている。

社会性を身につけることができる

競技にもよるが、対戦相手や味方チーム・指導者や応援してくれる人など、さまざまな人との関わりがあるのがスポーツの特徴だ。

例えばスポーツクラブに入ると、先輩やコーチ・チームメイトの親など目上の人と関わることもよくある。そうなれば敬語を使わなければいけないし、礼儀をわきまえなければいけない。

また、小中学校に進み試合で勝ち上がっていくと、遠方に行く機会も増えることから親と離れて行動しなければならず、精神的に成長していくだろう。

判断力を養うことができる

スポーツは、筋力が高かったり運動神経がよかったりするだけでは上手にならない。 ルールを覚える必要があり、チームメイトとの連携も必要となるだろう。個人競技であろうとも、自身のプレイや能力の分析を行わなければならない。

また、試合の時は自分が置かれた状況を瞬時に判断し、その後のプレイの選択をその都度行う必要がある。

スポーツを行うことで身につけることができる、状況を掴む・分析する・選択する・動くといった判断能力は、将来起こるさまざまなリスクへの対応に活用できるものと言えるだろう。

友達ができる

子供にスポーツを始めさせる理由の一つとして、「友達を作る機会が少ない子供に友達をたくさん作ってあげたい」という考えがあるかもしれない。

スポーツクラブでは、同年代の子供と一緒に過ごす時間が増える。普段、さまざまな理由により学校でなかなか友達ができにくい場合でも、同じスポーツクラブでたくさん友達ができることで、友達付き合いが学校でも広がる可能性も出てくる。

また、スポーツなど同じ目標に向かう友達との絆は深くなることが期待でき、大きくなっても長く付き合えることが多い。

子供がスポーツを習い始めるときに注意しておきたいこと

子供がスポーツを習い始めるとき、メリットばかりがあるわけではないことを知っておかなければならない。

いざ始めたが思ったより面白くなかった、練習がきつくてついていけないなどの理由で簡単にやめてしまう子供も多くなっているそうだ。壁ができたら何でも簡単にあきらめてしまう癖がついてしまうようなことは、できれば避けたい。

そうならないためにも、始める時「本当にそのスポーツを頑張って続けることができるのか」という気持ちをあらかじめ確認しておいたり、「1年間は必ず続ける」「レギュラー入りなど目標を達成するまでは辞めない」など約束したりしておくといいだろう。(藤瀬雄介、スポーツ・ヘルスケアライター)