ワタミ,赤字
(画像=Webサイトより)

低価格帯のメニューを提供し、デフレとともに成長を続けてきたワタミ <7522> は、介護事業にも乗り出すなど事業の多角化を進め、時代の寵児として注目を集めたのも今や昔、介護事業からは撤退し、本業の外食事業は3期連続で営業損失を出すなど不振にあえぐ。消費者の節約志向が増々高まるなか、ワタミの業績回復に明るい兆しが見られるだろうか。

外食事業、業績改善も赤字脱却ならず

ワタミが発表した2017年3月期の第2四半期連結決算によると、売上高は前年同期比で30.6%減の482億7300万円、営業損益が10億6800万円(前年同期は14億1600万円)、最終損益は13億5600万円(同20億6900万円)の赤字となった。営業損益、最終損益とも赤字幅は改善したものの、営業損益は3期連続で減少となるなど不振が続く。

セグメント別では、国内外食・宅食・海外外食・環境・農業事業のうち、宅食事業のみ黒字を確保したものの、食数は前年同期の26万1000食から23万1000食へと減少した。依然として足を引っ張るのが国内外食事業で、損失は8億6800万円に上る。赤字幅が縮小し、業績改善に向けて展望が開けてきたが、同社の株価はさえない動きだ。夏場以降、上昇トレンドに乗ってきたが、10月末以降は勢いを欠き、1000円台の値動きとなっている。

外食産業を取り巻く環境の厳しさはワタミのみならず、同業他社も苦しんでいる。居酒屋「甘太郎」「土間土間」などを展開するコロワイド <7616> も、2017年3月期の第2四半期連結決算では最終損益が5億3100万円(前年同期は5億7200万円の黒字)の赤字へと転落。円高による輸入材料調達費が抑えられた一方、猛暑や台風などの悪天候や、オリンピックの自宅観戦などにより客足が伸び悩んだ。同社の株価も中間決算発表後、夏場以降の株価上昇が一転。2000円台を割り込む水準まで続落している。