シンガポール移住,生活費
(写真=PIXTA)

目次

  1. 富裕層が集まる国で暮らすには
  2. 不動産ブーム終焉? 値下がり傾向だが東京より割高
  3. 電気代は割高、水道代は割安
  4. インターナショナルスクールは超高額
  5. 自由診療制、私立病院は高額に

富裕層が集まる国で暮らすには

米著名投資家のジム・ロジャース氏が子供の教育を考え、英語と中国語が学べる環境だとして移住先に選んだのがシンガポールだった。東京23区ほどの面積しかない東南アジアの小国だが、アジアの金融センターとして確固たる地位を築いている。世界銀行によると2015年の1人当たりのGDPは5万2888ドルに達し、日本(3万2477ドル)との差を広げ、アジアで最もリッチな国となった。

これまで、さまざまな移住先のランキングを見てきたが、今回は富裕層が集まるシンガポールで実際に暮らすには、どのくらいの生活費がかかるのかを見てみよう。

不動産ブーム終焉? 値下がり傾向だが東京より割高

移住にあたって、もっとも気がかりなのが現地の住宅事情だろう。今やシンガポールのアイコンともなったホテル、マリーナベイ・サンズなど開発ブームに沸いたシンガポールだが、足元では勢いに陰りも見え始めている。

金融セクターを中心とした成長とともに、右肩上がりを続けてきた住宅価格だが、2016年7-9月期の民間住宅価格指数が前期比1.5%減と、7年ぶりの大幅な落ち込みを記録。09年にシンガポール政府が導入した不動産抑制措置などを受け、同指数は12四半期連続で低下している。このうち、一等地の集合住宅価格は1.8%減、郊外と一等地エリア付近はそれぞれ1.2%、1.3%の減少となった。

住宅価格の下落トレンドは、これから移住を考える人にとっては朗報となるが、そもそもの標準的な住宅価格を抑えておく必要がある。日本不動産研究所がまとめた国際不動産価格賃料指数の18年10月のデータによると、東京港区元麻生にある高級マンションの分譲価格を100とした場合、シンガポールは107.6と1割弱増しほどの水準だ。さらに賃貸となると、その差は拡大し、東京の100に対し、シンガポール122.5となる。移住の際には、賃貸ではなく分譲住宅を購入することも検討する必要があるだろう。

電気代は割高、水道代は割安