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(写真=PIXTA)

地震大国の日本で生活していく上で、地震に対する備えは忘れてはいけないものだ。防災グッズのような当面の生活を支える備えを行うのと同時に心許ない被災後の生活立て直しの足掛かりになる地震保険への加入を検討する家庭も増えてきている。地震保険は、何も保険会社の専売特許というわけではない。県民共済やJA共済、全労済でも地震保険は扱っているのだ。今回は県民共済の提供する地震保険を中心に、地震保険について掘り下げていく。

県民共済の地震保険のメリットとデメリット

県民共済の地震保険は、「新型火災共済」の一部に地震共済が組み込まれている。パッケージ型なので必要ではない要素でも外すことはできないが、「掛け金が安い」というのがよく言われるメリットだ。そもそも共済は全国生協連という団体が運営母体になっているが、ここは営利団体ではない。生協という組織に加入する組合員への福利厚生の1つとして共済を提供している。決算後に剰余金が発生していた場合、割戻金という制度でいくらか手元に返ってくる場合もあるのだ。このため実質的な掛け金負担は資料に提示される金額よりも更に低くなることも多い。

デメリットとしては支払限度額が低いということがあげられる。加入額の5%以内と決められていて、これだけで半壊、あるいは全損した建物を再建することは難しい場合が多い。保障内容の充実は掛け金の額に応じたものになるので、掛け金が安いメリットと支払限度額が低いデメリットは、表裏一体で不可分ということになる。

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県民共済の地震保険の加入方法

県民共済の地震保険に加入するには、まずその県に住んでいるか、勤務先があるか、どちらかが条件になる。それ以外なら職業、年齢、性別は問われない。ただし県民共済が存在しない都道府県がある。

加入対象は加入者かその「家族」が所有し、今現在人が住んでいる「住宅」と、その内部にある「所有家財」になる。この場合の「家族」とは、加入者と生計を同じにする2親等以内の親族を指す。伯父や叔母、甥や姪は当てはまらないので注意が必要である。また、空き家や別荘、定住者がいない建造物は対象にできないことも、あわせて留意したい。

資料請求は各都道府県の県民共済ホームページや電話からできる。また申込みは、取り扱い金融機関に口座を持っている人なら、県民共済窓口から、そうでない場合も郵送での申込みが可能となっている。

県民共済、JA共済、全労済の地震保険を比較

県民共済と同じ共済の代表格に、JA共済、全労済がある。この2つも当然地震に対する保険を独自に作っている。

JA共済は建物や家財の保障を目的として立ち上げられた「建物更生共済 むてき」という名前の地震保険がある。住宅用である一戸建てやマンションはもちろん、地震保険では対象外になりやすい店舗や事務所という人が住んでいない建物もカバーできるのが特徴だ。掛け捨てではなく契約満了時には満期共済金を受け取ることができる。積立型なので掛け金負担においては他の共済に一歩譲る形になる。

全労済が提供するのは「住まいる共済(新火災共済プラス新自然災害共済)というもので、地震災害への保障は新自然災害共済に含まれている。大型タイプと標準タイプがあり、共済にしては支払い限度額も高めに設定されている。支払い基準が他のものと違い、「全壊・全焼」、「大規模半壊・大規模半焼」、「半壊・半焼」、「一部壊・一部焼」の4段階になっている。

共済と保険の地震保険を比較

民間の保険会社が取り扱う地震保険は、地震による建物や家財の損害に対しての補償を目的とした保険だ。火災保険に入っていないと加入できないが、再保険という形で日本政府が携わっているため、会社による保険料や保障内容に違いがないのが特徴だ。家屋と家財を対象としており、自動車や貴金属、美術品といったものは対象外になるので注意が必要だ。

地震保険は1966年に誕生したやや新しい保険で、それまでは火災保険しかなく、地震や噴火の二次災害での火災は対象外になっていた。現在でも火災保険とセットでなければ加入できない保険だが、地震、噴火、津波による損害にまで対応し、保険金が支払われるようになっている。地震により発生した火災で家が消失した、地震で家が倒壊した、地震で家が埋没した、津波で家が流された。これらのケースは全て保険金が出るケースになっている。

保険料が増える点が敬遠されて、地震保険そのものの普及率はあまり伸びていない。阪神大震災、東日本大震災と大きな地震災害が起きるたびに加入率は伸びたが、それでもまだ日本全世帯の3割にも届いていない。何度も言うが、我々が住む日本は世界で見ても比肩する国がないほどの地震大国だ。一切保険に入っていない状態は、心もとない。地震への備えの第一歩として、とりあえず掛け金負担の少ない県民共済の地震保険に入っておくというのは、現実を見据えた妥当な判断だと言えるだろう。(ZUU online 編集部)

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