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(写真=stockphoto mania/Shutterstock.com)

一口に「土地活用」といってもさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。今回は土地活用を自己活用7種と共同活用2種、その他2種に分け、それぞれの概要を解説していきます。

自己活用7種

自己活用とは土地の所有者が自身で活用する方法です。設備や建物を経営することにより収入を得る仕組みになっています。

1. 駐車場経営
もっともシンプルかつ単純な経営方法で、ローリスク・ローリターンとされる方法です。あまり費用をかけたくないのであれば必要最低限の区分け(駐車スペースの線引き)を行い、駐車場として不動産業者に斡旋依頼を出します。時間貸しの自動精算機や立体駐車場のシステムを導入することで、収益ベースを上げることもできます。

2. 貸住宅経営
一軒屋やマンション・アパートなどを他人に貸し付けることで家賃収入を得るという方法です。ローン返済が終わっている場合はローリスク、まだ残っている場合はミドルリスクで、双方ともにミドルリターンとされています。その土地の賃貸需要や家賃相場を把握したうえで取り入れるようにしましょう。

3. 太陽光発電
太陽光パネルを設置することで電気を生産し、それを売却するという方法です。少し前までは国政政策として高額で買い取りなどを行っていましたが、現在では買い取り額が下がった上にパネルを並べるにはある程度の広さの土地が必要となるため、太陽光発電だけではあまり大きな利益が期待できません。ただ安定性には優れており、所有物件の屋根に設置し副次的に収入を得るなど工夫するといいでしょう。

4. オフィス経営
保有物件をオフィスとして賃貸を行うという形式です。賃貸住宅に比べると税の軽減措置はなく電気設備やセキュリティなどランニングコストが高くなりますが、収益性も高くなるのが一般的です。

5. コンビニなど商業系施設経営
コンビニの場合、自分で個人商店として経営するリースバック方式と、フランチャイズシステムに申し込んで運営を行う事業用定期借地方式の二通りがあります。前者の場合は完全個人経営ですので、土地活用というよりは商店事業を行うことになります。後者の場合、土地を貸すだけのため建築費用がかからないというメリットがあります。

どちらも高い収益性が期待できるものの、近所に競合店ができたり、業者の契約見直しにより途中解約となったりといったリスクも頭に入れておく必要があります。

6. 医療系施設経営
高齢化が進む日本社会において、セミナーを開催するなど政府も力を入れているのが医療施設経営です。専門的かつ高価な設備が必要なことから大きな投資が必要となりますが、社会貢献性が高く、立地環境を考慮し計画すれば大きな収益を上げることも可能です。

7. 介護系施設経営
老人ホームの他、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やデイサービス施設といった、さまざまな種類があります。その種類によってメリット・デメリットは異なりますが、高齢化社会の現代において高い社会貢献性がある活用法です。収益性・節税効果を重視する場合は老人ホーム、あまり敷地面積が大きくない場合はデイサービスやグループホームがおすすめです。

共同活用2種

自己活用に対し、信託銀行やディベロッパー(不動産開発業者)と共同で行う共同活用があります。

1.土地を開発業者へ売却・譲渡し、業者が建てた建物の一部を所有者が買い換える
土地と区分所有建物を等価交換するという考え方から、等価交換方式と呼ばれます。資金を負担せずに土地活用できるのが長所です。

2. 土地活用に関する知識・経験・ノウハウを持った信託銀行に、土地の一切を任せる
建築や運営、管理、売却処分までを信託銀行が行います。資金や知識を必要としないため、所有者はほとんど何もせずに活用できる反面、収益を上げられるかどうかは信託銀行にかかっています。また自己活用よりも、リターンは低くなりがちです。

その他2種

その他、「売る」「貸す」場合についても簡単にご説明しましょう。

1. 売却
土地の管理が難しい場合や手放したい場合には、売却をするのが最も早い方法です。不動産業者に依頼し、売却オーダーを出しましょう。基本的に換金を急がない場合は、良い売り手が見つかるまで出す仲介にて売却、納税などの関係で即座に現金が欲しい場合は、安く買い叩かれることを覚悟で買い取り業者を利用します。

2. 賃貸
定期借地という長期間の借地賃貸契約を結び、土地レンタル料を受け取るという方法です。契約単位が10年以上などの長期となる場合も珍しくなく、安定した収入になります。一方で物価上昇(インフレ)などが発生した場合でも、安い賃料のまま貸し続けないといけないため、長期的に見ると損となる可能性もあります。

活用方法はさまざま。土地にあった活用を

土地活用の代表的な例をご紹介しました。それぞれの特徴を理解した上で、自身が求めているものに合った活用法を選択しましょう。(提供: フクリ!

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