リノベーションとは、「古くなった建物や部屋に大規模な工事を行い、物件価値を高めること」などと言われます。そうすることで家賃を高く設定できて利益率が高まるという理屈ですが、実際のところどれくらい高く設定できるのでしょうか。
リノベーションによる価値とは何か
物件探しでは、通常、不動産会社の担当者と一緒に候補物件を見て回ります。その際に、まず「ユニークさ」「オリジナリティ」があったほうが、入居を決めてもらううえで有利だといえるでしょう。「人と会うときは第一印象が重要」などと言われますが、部屋も同様です。内装・デザインなど、最初の「見た目」はとても大切で、住むかどうかの判断に与える影響は大きいのです。ただし、自分好みにリノベーションをしても、気に入ってもらえるとは限りません。その物件のターゲットとなる入居者のライフスタイルを考慮して、「住みたい」と思ってもらえるようなデザインが必要になります。
中でも水回りは重要です。なぜなら、重点的にチェックをする人が多いからです。キッチンや、風呂・トイレなどの設備には細心の注意を払い、入居者の目にどう映るかを考えてリノベーションを行うと良いでしょう。 最近は、モノトーンを基調にした、落ち着いた雰囲気のモダンなデザインや、人気のカフェで取り入れられているような、木材やウッドプリントを使った自然な風合いのデザインが人気のようです。休日に、ゆったりとくつろげるような空間づくりが好まれています。
実際のところ、家賃はどの程度「高く」設定できるの?
それでは、入居者の目線で内装・デザインに気を使ってリノベーションしたとして、どの程度価値がアップするのでしょうか。リノベーションによって、極端な話、新築時と同じくらいの家賃を設定できるものなのでしょうか? 高い家賃を設定しても、借り手がつかなくては意味がありません。部屋を探している人が「この部屋にならここまでの家賃を払ってもいいな」と思って実際に借りるというように、需要と供給のバランスから家賃水準は決まります。
実際の家賃は、同じエリア・築年数の物件の家賃相場を基準にある程度決まるといえるでしょう。経年劣化で物件価値は徐々に下がります。これをリノベーションである程度まで回復させられるのは間違いありませんが、同条件の物件との比較では、数千円〜1万円程度高く設定することが一般的のようです。
過剰な期待は禁物
投資としてリノベーション済みの物件を購入する場合は、リノベーション費用が購入費用に含まれています。また、すでに取得した物件の年数が経ち、改めてリノベーションを施す場合は、それまでに得た家賃収入の中から費用を出すことになります。費用をかければ、人気の内装・デザインにすることは可能ですが、際限なくお金をかけるべきではありません。回収できないほどの費用をかけては意味がなくなってしまいます。
家賃を決めるにあたっては、そうしたコストの部分も考慮して、どの程度の頻度で修繕やリノベーションが必要になるのか、それにいくらかかるのかを考えます。長期的な計画に落とし込んだうえで、トータルで利益を上げられるかどうかを計算する必要があるのです。また、そのエリアの需要予測も合わせて考慮しなければならないでしょう。 エリアの家賃相場や顧客層は、不動産会社がよく把握しているはずです。収入と費用を概算したうえで、不動産会社と相談してリノベーションの内容と新しい家賃を決めるのが良いでしょう。(記事提供: REISM )
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