依然として寒い日が続いていますが、株式市場ではニューヨークダウがようやく2万ドルの大台を抜けてきたことが大きな話題となりそうです。トランプ大統領のおかげということが言われそうですが、実際には米国での利上げが大きな要因と思います。つまり「金融政策が正常な動きになった」ということで米国でも、世界的にも経済や金融に不安がないということの表れと思います。
ただ、ここからは本当に米国にとっての良いことが日本にとっても良いことかどうかを考えて見るというのも良いと思います。円安を好感することが多いですが、米国でドル高を嫌気する動きが出てくると為替は円安にならないということですから、輸出企業にとっては厳しいということになりそうです。米国株が高いからと言って安心はできないと思いますし、為替動向などを見ながらということになりそうです。決算発表も円安効果がどこまで織り込まれているか、ということにも注目です。
米国株が堅調、大台乗せとなったことから本日の日本市場も買い先行となりそうです。夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物が買われていましたが、為替が円高気味ということで堅調ながらも上値が重くなりそうです。日中も円高が進むようであれば昨日の大幅高の反動もあり、手仕舞い売りに押されるということになりそうです。主力銘柄は堅調ながらも買い切れず上値が重くなりそうで、小型銘柄などに物色が集まるということもありそうです。
19,000円を超えて来て戻りを試す動きです。ただ、米国株が大きく上昇、為替もいったん円安になる場面でも夜間取引やシカゴ市場で日経平均先物が19,300円を超えてくるということはなく、引き続き19,300円水準が上値ということになりそうです。大きな流れとしては堅調なのでしょうが、上値は重いと思われます。
本日の投資戦略
米国市場でダウ平均がようやく2万ドルの大台を超えて来ました。「トランプラリー」で買われていた金融株などが指数を押し上げたという面もありそうです。ナスダック指数などは先に高値を更新しており、主力大型銘柄が足を引っ張っていたものが水準訂正を経て指数を押し上げたということでしょう。ただ、新大統領の政策に絡んでここからはドル高などを嫌気する動きも出てくるのではないかと思います。
ドル高を嫌気する動きもようやく世間で話題になり始めましたが、日本の円安、日本企業の好調な業績が必ずしも米国企業にとって良いということとは限らず、逆に言えば米国の大統領の言動に日本の企業が期待しても良いのか、本当に日本のためになるのかということも取りざたされて来そうです。全体として基調は強含みなのでしょうがまだまだ上値も重いと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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