武部力也,為替相場見通し,トランプ米大統領,円批判
(写真=Thinkstock/GettyImages)

ドル円予想レンジ 110.85- - 115.40

「Japan “plan” their money markets(日本はマネーマーケットを仕組んでいる)」-。これは1/31のトランプ米大統領による発言だ。2/10の日米首脳会談では本邦為替・日銀金融政策もテーマとなる可能性が高い。

トランプ恫喝はデフレ脱却のシナリオを揺さぶる

恐れていたことが現実化した。トランプ恫喝の矛先が円安・日銀政策批判に向かったのだ。一部ではムニューチン氏の財務長官就任が2/1に議会承認されたことで今後の為替見解は新財務長官の管掌となり鎮静化する、とした楽観論もある。

しかし、筆者は外交上の武器をトランプ大統領が放棄する訳は無く、“貿易不均衡・円安批判”とした匕首(あいくち)を日米首脳会談でちらつかす、と読んでいる。理由は簡単だ。トランプ政治手法が“ディール(取引)”を軸としてきた経緯からである。1/16号で指摘した本邦「経常収支」の黒字が29ヶ月連続していることなどは、格好の標的なのかもしれない。

2/7、8の米国・本邦貿易収支も注意が必要だ。日銀には“moneysupply and devaluation(資金供給による通貨切り下げ)”として強い不満を示している。

他国中銀への批判は前代未聞で明確な内政干渉だが、日銀の長短金利操作付き量的・質的金融緩和が萎縮し、円金利が上昇するようだと、シカゴIMM通貨先物が示すような膨大な円ショートポジションは一気に整理・円買い戻しを強めかねない。デフレ脱却のシナリオを描く安倍首相には認め難い事象だ。

円批判をお土産(ディール・取引)で諌めてドル高か

安倍首相は2/1の衆院予算委で「円安誘導という批判はあたらない」「首脳会談の際には、反論すべき点があれば反論」と話した。日本の通貨・金融政策は国際協調枠組に則しているとの正当性を強調するのだろう。

しかし、筆者はトランプ大統領が力点を置く“雇用創出・インフラ整備”とした方針に経済協力を申し出て諌める動きを強めるかが焦点と読んでいる。要はお土産(ディール・取引)だ。

本邦からの長期融資、資金調達でのドル転思惑が強まれば、2月中旬の米債償還・利払い円転圧力をも飲み込む可能性がある。そうなれば1/31に麻生財務相が述べた「今の状況でいけば間違いなく前半、円安・ドル高に振れていく傾向は暫く続くであろうかなという感じ・・」の軌道に戻せるかもしれない。

2/6週のドル円は日足一目均衡雲の帯 (109.93-116.30)を上下大枠と予想し、上値焦点は1/31-2/1高値圏114.00、1/20、27高値圏115.40。下値焦点は1/31、2/2安値112.04-07、昨年11/28安値111.345、11/23安値110.85を推考。

為替見通し2-3

武部力也
岡三オンライン証券 投資情報部長兼シニアストラテジスト