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(画像=DAZN)

スポーツストリーミング配信を行うDAZN(ダ・ゾーン)とNTTドコモの提携が発表された。Jリーグ放映権の獲得など話題を集めたDAZNと、国内最大のユーザ数を持つ携帯電話キャリアのドコモの提携は、今後の日本におけるストリーミング配信に対しどのような影響を与えるだろうか。

ドコモユーザには月額980円でサービスを提供するDAZN

DAZNはスポーツに特化したストリーミング配信サービスで、日本では2016年8月からサービスを開始している。月額1750円(税抜)で、サッカーをはじめとする各種スポーツを追加料金なしで視聴することができる。

今回のドコモとの提携内容は、ドコモユーザがDAZNを契約する場合には月額980円(税抜)で提供するというものである。

DAZNはスカパー!に変わり2017年Jリーグの中継権を獲得したが、従来のJリーグファンが3000円近い追加料金でJ1とJ2の全試合を見ていたのに対し、DAZNではこれにJ3全試合も加えて月額1750円で提供するという内容で注目を集めた。

もしスカパー!でひいきのチームの応援のために月額3000円支払っていたドコモユーザがいるとすれば、その3分の1の価格で視聴可能となる。

ただし放映権の関係で、依然としてスカパー!やWOWOWでしか見られないリーグなどは存在する。サッカー以外の視聴可能なスポーツとしては、NFL、NHL、バレーボール、ラグビー、ダーツ、F1などがあり、中には総合格闘技UFCのように日本でのテレビ中継が終了したものなどもある。

DAZNの問題は「動画の品質」

価格面だけ見ればDAZNは良い所だらけだが、ユーザの中からは動画品質が悪いという指摘が出ている。たしかに現段階では、地上波などに比べれば確実に品質は劣る。

実際に見てみると、コンテンツ提供元によって画像品質は依存している部分が大きいと感じた。品質に関する問題はDAZN側も認識しているようで、ドコモとの提携発表会においても「善処していく」と表明している。

DAZNを視聴するにはPC、タブレット、スマートフォン、STB(セットトップボックス、テレビに接続したストリーミング受信用機器)を使うが、アプリ版もブラウザ版も使い勝手が良くないという声も多い。地上デジタルの民放の手軽さと比較すると、このようなサービスを使う場合は大きく使い勝手が異なるためである。

事実、ストリーミング配信サービスのUIはどれも似通っている。また現段階では、番組の録画ができないという根本的な問題も抱えている。

DAZNがドコモユーザに安くサービスを開放する意味と意義

DAZNを運営するパフォーム・グループは英国に本部を置き、複数のデジタルメディア企業の持株会社である。このことから、メディア戦略にはそれなりのビジョンをもってDAZNを運営していると考えられる。

DAZNが日本でサービスインしてまだ日が浅いため、現段階でのユーザ数がどれほどになるかは不明であるが、提携するドコモは「まずは100万契約を」と表明している。先述の品質の問題もあるが、ドコモユーザに対しては月額980円で提供するという価格設定は戦略的であり、ペイするレベルにあるかどうかは疑問である。つまり国内最大の携帯電話キャリアであるドコモと提携をするという事で、目先の利益よりもまずはユーザ数を増やしたいと考えているのだろう。

もちろんユーザの立場からすれば、Jリーグはすべて、その他のスポーツも数多く視聴することが可能なサービスが安価に使えるという事は、少なくとも価格面においては歓迎である。それがドコモユーザであればなおの事であり、「ドコモがユーザのために久しぶりに良い事をした」と、揶揄半分歓迎半分の意見もちらほらと聞こえてくる。

主なテレビ視聴方法がストリーミングにシフトするきっかけに?

現在では、いろいろな動画ストリーミング配信がある。それらをPCやタブレットで見るのも悪くはないが、やはり大きなテレビで見たいという要望は根強い。

今回の提携会見でも、日本におけるDAZNのユーザの71%はテレビやSTBなどの「リビングルームデバイス」で視聴している、と紹介されている。

NetflixやHuluなど同様のサービスは日本でも開始されているが、まだまだブレークしているとは言い難い状況でもある。その大きなハードルとなっているのが「設定が難しいのではないか」「テレビでは見られないのではないか」という誤解もあると推測される。

DAZNがドコモと提携することによりストリーミング配信サービスに対する知名度が増していけば、ハードルも徐々に低くなってくる。

現在はSTBやスマートフォンをHDMIでテレビに接続することが最も簡単だと思われるが、ストリーミング配信サービスに対応したスマートテレビが増えてくれば、さらにハードルは低くなる。DAZNとドコモが提携することによる成功の可否はまだ見えてこない。

しかし「国内最大のユーザ数を持つドコモのユーザに対して安く提供しますよ」と宣伝し、それが今回のように話題になりストリーミング配信に対する理解度が増していけば、テレビの視聴方法が根本的に変わる可能性がある事も指摘しておきたい。(信濃兼好、メガリスITアライアンス ITコンサルタント)

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