ウォルト・ディズニーが残したシナジー・マップ

ウォルト・ディズニーが生み出したアニメーション映画がきっかけに大企業へと成長したウォルトディズニーカンパニーですが、ディズニーが残したシナジー・マップ(企業戦略)が会社では受け継がれてきました。ディズニーが自分のビジョンを描いたシナジー・マップは1957年に図面で作成され、会社の主要な資産が定義されています。そしてその図の中心部のコア資産には、映画事業が据えられています。映画事業を中心として、テレビ部門、音楽部門、出版部門、商品ライセンス部門、ディズニーランド(テーマパーク部門)などが配置され、各資産が補充しあっている関係がパターン化されています。

このセオリーの根幹やインサイトは、時を経ても変することなく会社の戦略ビジョンとして成長を支えてきました。ウォルトディズニーカンパニーでは、シナジー部門とブランド管理部門という2つの独立した部門の働きによって、ブランド価値向上・維持と部門間の協力の推進と相乗効果による戦略をひいてきました。4つの事業全てにおいて、会社が一体となることで成果をあげてきました。今の映画事業の復活と成長も、創業者の示した土台があったからこそといえるのです。


30年で株価8934%上昇 米ウォルトディズニーカンパニーの株価

ディズニーの業績は、先にあげた映画事業の復活によって好調な興行成績を収めているのに加え、映画、メディア事業がテーマパークの来園数増加も押し上げてきました。2014年第一四半期の売上高は123億900万ドルで9%増、純利益は18億4000万ドルで33%増となっています。株価は2011年より好調に上昇し、2012年に欧州債務問題の影響から多くの銘柄が急落した時も、ディズニー株はプラス圏で推移しています。低迷期に喘いでいた1984年に最安値をつけた米ウォルトディズニーカンパニー(WDC)の株価は、この30年でみると実に8934%のリターンをあげています。

不振や低迷を幾度となく乗り越えてきたウォルトディズニーカンパニーの底力は、創業者の残したビジョンと一体になって、これからも躍進していくのではないでしょうか。そして『アナと雪の女王』の成功だけで終わることなく、多くの投資家がこれからも惹きつけられていくことでしょう。

【関連記事】
米中間選挙の年のアノマリーとは?〜米国株は大波乱の相場になる可能性〜
米貿易赤字が過去最大に!!世界を支えるアメリカの消費はいつまで持つ!?