DVDレンタル事業や書籍の販売などを行う「TSUTAYA(ツタヤ)」を全国展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、雑誌や書籍などを幅広く手がける中堅出版社の徳間書店を買収する方針を固めたと14日、NHKほか大手メディアが報じた。同社は即日で、「本日、一部報道機関において、CCCグループのカルチュア・エンタテインメント株式会社が出版社の株式を取得し子会社化するという報道がなされておりますが、当社が発表したものではございません」と否定するリリースを公表している。
徳間書店は1954(昭和29)年に設立された徳間書店は、『アサヒ芸能』やアニメ雑誌『アニメージュ』などを発行する出版部門だけでなく、映画会社の大映や音楽、ゲーム業界に関連企業を持つ「徳間書店グループ」を築いていた。宮崎駿監督の作品で知られるスタジオジブリも同社が主導して設立、ジブリ独立後も書籍を出版するなど、エンターテイメントの分野では存在感を示していたが、バブル後に経営が悪化していた。
豊富なコンテンツやノウハウを生かす狙いか
CCCは2013年に徳間書店と業務提供。子会社であるカルチュア・エンタテイメントを通じて、すでに徳間書店の株式を、議決権ベースで15%保有している。保有する株式を議決権付きに転換するなどすることで、これを月末までには96%にまで引き上げる方向で調整していると報じられている。
朝日新聞などの報道によると、CCCは出版事業を強化しており、14年には阪急電鉄の子会社から『ニューズウィーク 日本語版』などを発行する事業の譲渡を受けたほか、月刊誌『美術手帖』で知られた老舗、美術出版社(15年に民事再生申請し)を傘下に収めている。
CCCはまた出版不況と言われる中、2011年からは「本を売るための施設ではなく、そこで過ごす「時間」を楽しんでもらうような空間を作る」(CCC Webサイトより)ことをコンセプトとした「蔦屋書店」を全国展開しており、今年1月には台北に海外第1号店である「TSUTAYA BOOKSTORE 信義店」をオープンした。
出版やエンターテイメントの分野に幅広いノウハウを持つ徳間書店を傘下に加えることで、同社の出版部門のさらなる強化を図るだけでなく、同社の豊富なコンテンツを書店事業の店作りなどにも生かす狙いがあるとみられている。(ZUU online 編集部)
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