アスクル <2678> が3月28日に発表した3月度(2月21日〜3月20日)の月次業績で、火災の影響が個人向け通販「LOHACO」で大きく表れ、同部門売上高は前年同期から半減となることが分かった。現在でも配送遅れや注文数制限が続いており、9月末までの完全復活を目指している。

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(写真=PIXTA)

火災の影響を反映した初の業績開示

3月度の月次業績は火災の影響を反映した初の業績開示として注目を集めた。同社の発表によると個人向け通販「LOHACO」の3月度売上高は16億5300万円となり、前年同期比伸長率は53%に留まる。火災の影響を受け、現在でも最大1週間程度の配送遅れが生じており、1日の注文受付数に上限を設ける措置も行っている。

「LOHACO」の物量の実に62%が火災のあった「ASKUL Logi PARK 首都圏」で取り扱われていた為、同事業に深刻な影響をもたらしている。現在は「ASKUL Logi PARK 横浜」を中心に東日本エリアの対応を行っているが、同拠点は法人向け事業をメインとしていた為、代替拠点としての機能に限界がある。

完全復活は9月末を目指している。まず3月中に臨時の代替拠点を首都圏に6カ所稼働させる。さらに9月末までにもう1拠点を設ける計画である。個人向け通販には利便性が大いに求められる為、完全復活が待たれる。

高成長続けるアスクルのエンジンだった

「LOHACO」の売上高が大きく減少する一方、法人向け事業は堅調である。3月度の売上高は219億5500万円となり、稼働日修正後の前年同期比伸長率は100.8%と前年を上回る。法人向けは「ASKUL Logi PARK 首都圏」で取り扱われていた物量が全体の9%であった為、他拠点での対応時に混乱が少なく、物流体制は火災後すぐに復旧した。

法人向け事業はアスクル単体売上高の8割以上を占める為、同事業が堅調であれば、全体の業績はある程度保たれる。しかし、「LOHACO」の落ち込みはアスクルの成長ペースを大幅に鈍化させる可能性が高い。「LOHACO」は2012年10月にサービスを開始して以降、常に2桁を超える成長率を保ってきた。初の前年割れとなるだけでなく、復旧までは厳しい数字が続く事が予想される。

個人向け通販は成長分野である一方、競争が非常に激しい分野でもある為、完全復活に時間が掛かれば、顧客離れが起こる可能性も大いにある。

今後アスクルには様々な費用がのしかかってくる。火災の損害に加え、臨時物流拠点の費用、更に「ASKUL Logi PARK 首都圏」の代わりとなる拠点の建設費用等である。成長エンジンが停止状態にあるアスクルがこれらの費用負担を乗り越え、再び成長軌道に戻るには新たな戦略が必要となる。完全復活は前年同期並の売上高に戻す事では無く、前年同期並の成長率に戻す事を目標としてほしい。

目先の焦点は2017年4月5日に予定される、2017年5月期第3四半期決算(12〜2月)にあたる。火災の影響を受け、延期されていた同決算で火災の損害額が出てくるのか注目される。(ZUU online編集部)

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