4月になりました。
読者のみなさんの中には、新社会人として新しい生活を迎えた人もいることでしょう。

社会人になると自由に使えるお金が増えますが、同時に出費の機会も増えます。保険やクレジットカード、銀行など……自分では、まったく気づかないうちに出費がかさむケースも珍しくありません。そこで、今回はそれら「お金の三大テーマ」の注意点について解説しましょう。

生命保険,クレジットカード,ネット銀行
(写真=Thinkstock/Getty Images)

社会人は生命保険に入らないとダメなの?

私はコーヒーショップで原稿を書くことが多いのですが、この時期は保険営業員が新社会人と見られる若者に生命保険の説明をしている場面に遭遇することがあります。

「社会人になったのだから責任を持たないとね!」
「だから絶対に生命保険に入っておいたほうがいい!」
「生命保険は貯蓄にもなるんだよ!」

生保のセールスレディというのは、どうしてあんなに声が大きいのでしょうか。うるさくて原稿が書けません。いえ、すべてのセールスレディがうるさいと決めつけるのは良くありませんね。恐らく、たまたま、私が遭遇するセールスレディにうるさい人が多いだけなのでしょう(恐らく)。

それにしても、どうも日本人は「保険に入ることが当たり前」という思い込みがあるように感じられます。実際、男性で80.9%、女性で81.9%の人が何らかの生命保険に入っています。20代でも、男性で52.4%、女性では56.8%の人が生命保険に加入しているのです(※生命保険文化センター「生活保障に関する調査」平成25年度)。

しかし、新社会人にも本当に生命保険が必要なのでしょうか?

まず、死亡保険で考えてみると、死んだら死亡保険金が出ますが、自分は受け取ることができません。自分が死んだら両親とか恋人、友人たちは悲しい思いをしますが、果たして、その人たちが金銭的に困るでしょうか? その人たちが生活に困るでしょうか? もしも、金銭的に困る人、生活に困る人がいなければ死亡保険は必要ありません。

「保険は貯蓄にもなる」という説明がありますが、このマイナス金利時代にそんな商品はありません。それどころか払込満了になる前に解約すると元本割れになります。また払込満了後の解約返戻金も払った保険料と比べてそれほど増えません。

では、医療保険は必要でしょうか?

実は、これも必要ないでしょう。なぜなら学生時代よりも、就職をしたほうが、公的保障は増えるからです。つまり、雇用保険や厚生年金などの社会保険料を支払っているので、その分使える公的保障も増えるわけです。健康保険は、自分で保険料を払うことになるだけで、いままで通りに高額療養費が使えます。

また、雇用保険があるので失業をしても基本手当(失業給付)があります。さらに病気で働けなくなったら傷病手当金が支給されます。厚生年金からは万が一障害者になった場合「障害年金」が支給されます。

このように会社員になると、いくつかの社会保険に自動的に入ることになります。その保険料は、給料の中から天引きされているのです。

つまり、就職することですでにいくつかの保険に入っているので、さらに高額の保険料を払う必要はない、というのが私の考えです。

生命保険に加入するよりも、英会話や資格取得など「自分の将来のための投資」や貯蓄、あるいは恋人とのデート代などに回した方がずっと有益ではないでしょうか。それでも、公的な社会保障だけでは、どうしても心配だという保障だけを民間の保険でプラスするのが賢いお金の使い方と考えます。

クレジットカード「3つの落とし穴」

新社会人になると、自由に使えるお金も増えてきます。クレジットカードを自分で持つ機会も増えるかも知れません。量販店やデパートで買い物をするとポイントがつくと言うことで、クレジットカードを勧められることもあるでしょう。

しかし、だからといって、クレジットカードを何枚も持つのは考えものです。そこには「3つの落とし穴」があるからです。

クレジットカードの中には、年会費がずっと無料のものもあります。が、初年度だけ無料で、翌年から有料のカードもあります。知らないうちに年会費が引き落とされていた、しかも何枚も、何年も……なんてことのないようにしたいものです。これが1つ目の落とし穴です。

2つ目の落とし穴は、カードを分散させるとポイントが貯まりにくくなることです。効率良くポイントを貯めるのであれば、1〜2枚に絞るのが理想的でしょう。

3つ目は、普通のクレジットカードだと思っていたら「リボ払い専用カード」だったという落とし穴です。このカードを利用すると、自動的にリボ払いになってローンを組むことになります。つまり、自分で気がつかぬうちに、いつの間にか借金をしているのです。もちろん、ローンの返済には利子が上乗せされます。もし、返済が滞ると、住宅ローンを借りるときにハンディになることもありますので、くれぐれもご注意ください。

「自分のメインバンク」を賢く活用しよう

新社会人として、初めて受け取る給料は嬉しいものです。給料の振込み先の銀行は会社から指定されるケースもあるかと思いますが、そうでない場合は「自分のメインバンク」で賢く活用する方法もあります。

いまの時代は、銀行の普通預金に預けておいても利息などは、ほとんどつきません。でも、昼間は仕事が忙しくて夜になって銀行からお金を下ろしたり、土日にコンビニのATMを利用していると、手数料をしっかり取られます。また、家賃の振込、ネット通販の振込などで、手数料の出費がかさむことも考えられます。

そこで注目したいのがネット銀行です。ネット銀行の中には、コンビニのATMを利用しても無料だったり、振込手数料が無料、または安くなったりするものがあります。若干ですが預金金利が高めのネット銀行もあります。新社会人の第一歩として「自分のメインバンク」にネット銀行を選んでみるのも良いでしょう。

今回は新社会人が知っておきたい「お金の三大テーマ」について解説しましたが、すでに社会人として活躍されている人もこの機会に見直してみると良いかも知れませんね。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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