国土交通省より発表された2017年1月1日の地価公示。都内の住宅地の市区別平均価格を上から順に並べてみると、ラインナップにほぼ変わりはなく、いずれも上昇していることが分かった。ベスト10を見ると、上位3つの超都心は伸び幅が小さくなり、残りは伸び率が上がったところと下がったところは半々といった印象だ。これらの高価格エリアの土地柄や特徴などを個別にレビューしてみよう。

都心,住宅価格ランキング
(写真=PIXTA)

【都内住宅地平均価格ランキングベスト10】2017年/2016年
順位/市区名/平均価格(円/㎡)/変動率(対前年)/市区名/平均価格
平均/549,100円/3.0%増(0.2ポイント増)/524,100円

1位:千代田区/2,537,100円/7.5%増(1.9ポイント減)/千代田区/2,358,600円
2位:港区/1,682,700円/5.2%増(1.1ポイント減)/港区/1,508,900円
3位:中央区/1,159,100円/6.2%増(3.5ポイント減)/中央区/1,108,700円
4位:渋谷区/1,092,100円/3.5%増(0.1ポイント増)/渋谷区/1,054,000円
5位:目黒区/844,100円/4.5%増(2.4ポイント減)/目黒区/811,000円
6位:文京区/821,600円/4.1%増(0.6ポイント増)/文京区/788,800円
7位:台東区/768,200円/3.6%増(0.9ポイント増)/台東区/740,000円
8位:品川区/720,400円/3.5%増(0.8ポイント減)/新宿区/661,100円
9位:新宿区/681,300円/3.0%増(0.4ポイント減) /品川区/661,000円
10位:世田谷区/566,000円/3.0%増(0.3ポイント増) 世田谷区/544,100円

伸び率縮小ながらバブル続く超都心

かねてよりバブル状態にあった超都心。千代田区は7.5%増(昨年9.4%増)、中央区6.2%増(同9.7%増)、港区5.2%増(6.3%増)-と伸び率は鈍化しながらも、平均価格は指定席のトップ3を占めている。特に高級住宅地の億ションが投資や相続目的で富裕層の人気を集めている。

最高価格値をつけたのは、堅調なマンション需要で用地取得の意欲も依然として高い、千代田区六番町6番1外で、1㎡あたり375万円。坪単価では1238万円となった。このエリアは江戸城下の屋敷町に由来し、将軍のお膝元で守りを固めてきた者たちが暮らしてきた。その後は政府要人や文化人によって住み継がれ、付近は官公庁をはじめ各国大使館のほか、大規模総合病院、文化・スポーツ施設も充実している。この土地には超高級分譲マンション「プレミスト六番町」が2019年に完成予定で、注目を集めている。

このほか、ANAインターコンチネンタルホテルやホテルオークラ、サントリーホールやアメリカ大使館などがあり高級感ある住宅地である港区赤坂1丁目が368万円、各国大使館が並ぶ緑豊かな高級住宅地で広尾駅近くの港区東麻布4丁目が275万円、靖国神社の裏にあり、白百合学園や和洋九段女子中高、三輪田学園高校、日本歯科大学、大妻女子大などがある文教地区の千代田区九段北2丁目で272万円など、おなじみの高級住宅街がズラリと並んでいる。

ブランドイメージの目黒、文京

目黒区と文京区に共通しているのは、ブランドイメージが強いことだ。

目黒区は自由が丘や中目黒など流行最先端のファッションやインテリアショップやオシャレなカフェ、スイーツ店が軒を連ねてにぎわいを見せるエリア。富裕層を中心とする需要が強含み傾向で推移している。とにかく女性に圧倒的な人気を誇り、23区で最も女性比率が高い。「住みたい街ランキング」でも常に上位にあり、近年ではタワーマンションも多く造られていることから、あらゆる価格帯の住宅が売れていて、その価格の底上げが行われている。

文京区は東京大学をはじめお茶の水大学、東京医科歯科大学などの教育機関や先端医療を行う大規模病院、出版社などが集まる「学問の街」。本郷や小石川、目白台など閑静な住宅街、後楽園や六義園などの歴史ある日本庭園も多く、明治より夏目漱石や宮沢賢治などの文人も集まった洗練された地域だ。医師や会社経営者など高額所得者を中心に需要が堅調で、戸建て住宅地、マンションともに売れ行きが好調だ。需要に対して供給がやや不足気味で、画地の細分化が進んでいることから地価は上昇傾向にある。

渋谷、新宿も根強い高さ

渋谷区、新宿区もやはり根強い高価格を誇っている。渋谷区は駅前再開発でさらに発展し、「住む」とはかけ離れたエンターテイメントの街というイメージが強いが、明治から昭和にかけて形成された古くからの邸宅街も神宮前や松濤などに残っている。広尾には大規模なビンテージマンション、恵比寿には恵比寿ガーデンプレイスなど、個性的で資産性の高い街が多い。駅前再開発が本格化すれば、利便性の高まりから居住ニーズが高まり、区全体の価値がさらに高まっていくことが予想される。

新宿区も世界一の乗降客数を誇る新宿駅周辺に広がるショッピングとエンターテイメントの街としてのイメージが強いが、北新宿や西新宿はタワーマンションを含む大規模開発が進行。新宿御苑や新宿中央公園など巨大な緑地のように意外に自然もあるのも住むのに魅力なのだ。(フリーライター 飛鳥一咲)

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