ファミリーレストラン大手のすかいらーく <3197> は、運営するガストとジョナサンで「糖質0麺」として提供していた麺に微量の糖質が含まれていたことが分かったと発表した。糖質0麺を使用したメニューは5月2日より販売を中止している。

飲料にもあるこの「糖質0(ゼロ)」とは一体どういうものなのだろうか。

自主検査で発覚 安全性には問題ない

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ガスとの「糖質 0 麺」と「糖質約半分デザート」(画像=プレスリリースより)

すかいらーくが糖質0麺を発売したのは2016年6月16日。糖質制限を行う客のニーズにこたえるため、いくつかのメニューで使用する麺を通常の麺から糖質0麺に変更できるようになっていた。

糖質0麺はこんにゃくをベースにした麺で、取引先から糖質が含まれていないという外部調査機関での検査結果を確認したうえ、購入していた。しかし、麺を自主検査したところ、微量に糖質が含まれていることが発覚した。提供はすでに中止しており、取引先に事実確認するとともに引き続き調査も行っている。

含まれている糖質は100gあたり2g以下。が提供している通常の中華麺に含まれる糖質は100gあたり約31g、うどんには100gあたり約26gの糖質が含まれている。

通常の麺の10分の1以下という少ない量ではあるが、“0”ではないということを問題視した形だ。

3400億円規模の糖質制限市場

ダイエットや糖尿病予防などに効果があるとしてブームが巻き起こった糖質制限。糖質制限食が普及するのに伴い、「糖質0」や「糖質オフ」をうたった商品が多数発売されている。富士経済の調査によれば、2016年の糖質制限市場の規模は3431億円にも達しているという。

糖質制限ブームをいち早く察知したのがコンビニ大手のローソン <2651> だ。いち早く糖質制限食に対応し、糖質を抑えたブランパンシリーズは大ヒットとなった。また、同じくコンビニ大手のファミリーマート(運営はユニー・ファミリーマートホールディングス <8028> )は厳しい糖質制限をことで知られるライザップ(RIZAPグループ <2928> )とコラボしたアイテムを発売し、話題となっている。発売された低糖質メニューは、パンやパスタといった主食系からスウィーツまで豊富に揃う。

ビールメーカーも糖質ゼロに注目している。アサヒビール <2505> が糖質ゼロの「スタイルフリー」を発売し話題になったことで、大手ビールメーカーから糖質ゼロの発泡酒が続々と発売された。

そもそも糖質とは? 炭水化物や糖類との違いは?

そもそも糖質とは、身体の主要なエネルギー源だ。たんぱく質、脂質と並ぶ3大栄養素であり、消化、吸収されて体を動かすためのエネルギーとして使われる。特に脳はブドウ糖を主なエネルギー源としており、極端に低湿が不足すれば意識障害などを起こすこともあるという。

炭水化物と糖質は混同されがちだが、炭水化物には糖質だけでなく食物繊維も含まれている。炭水化物を消化されやすさによって糖質と食物繊維に分けている。

糖質の中にはでんぷんやブドウ糖、果糖、砂糖などが含まれている。糖質の最小単位は「単糖」といい、一番消化・吸収しやすい。ブドウ糖や果糖がこれにあたる。単糖が2つつながったものが二糖で、砂糖は二糖の一種だ。単糖と二糖をまとめて「糖類」と呼ぶ。いわゆる甘いものは糖類に当たる。

単糖が10以上つながったものは多糖類と呼ばれる。でんぷんは多糖類の一種だ。米や小麦にはでんぷんが多く含まれており、糖質も多く含まれる。糖質制限を行う際、甘いもの、つまり糖類だけでなく米やパン、イモ類の料も制限するのはこれが理由だ。

糖質制限はブームになっているが、どれほど糖質を減らせばいいのか、どの種類の糖質を減らすのか、など明確な定義は出ていない。また、厳しい糖質制限を続けた場合の健康への影響など、不明な部分もある。今後の糖質制限市場の動きと共に、注意が必要だ。(ZUU online編集部)