medium_11288252086

ポートフォリオという言葉は、投資家の皆さんにとって馴染み深い言葉でしょう。NISAでも、ポートフォリオの考え方を活用することができます。自分オリジナルのポートフォリオを作ったり、ポートフォリオのポートフォリオを作ったり、あるいは自身のポートフォリオを広げるためにNISAを活用することができます。


ポートフォリオとは

ポートフォリオという英語の元来の意味は、書類を運ぶ平らなケース、つまり紙ばさみのようなものです。金融関係では、様々な資産の組み合わせのことを意味します。証券会社の営業マンなどが、様々なパンフレットなどを挟んで持ち歩いていたのが語源になっています。

投資には、ハイリスクハイリターンな「危険資産」から、ローリスクローリターンな「安全資産」まで様々です。リスクを回避しながら高い収益を上げるために、様々な投資商品に分散して投資する、というのがポートフォリオの構成で、そのあり方は様々です。堅実に手堅く運用するなら国内債券を中心としたポートフォリオになるでしょうし、ハイリターンを狙うなら、成長株を中心としたポートフォリオも考えられます。その他外国株や外国債券などもポートフォリオに組み入れることができます。ポートフォリオの考え方は、どれだけリスクを許容出来るか、どれだけの収益を上げたいか、などによって様々です。ポートフォリオに組み入れる個別の証券の構成や比率は無限です。投資家の考え方、目標次第で、どのようにも組み込むことができるのです。
NISAの場合も、単一の株式や投資信託だけに投資する必要はありません。NISAで様々な商品を組み合わせてポートフォリオを組み合わせて楽しむこともできるのです。


そもそも投資信託はポートフォリオ

NISAで購入できるのは株式、投資信託など様々ですが、投資信託は、そのものがポートフォリオです。どのようなポートフォリオかは、それぞれの目論見書に記載されています。株式と債券を半分づつ、それも新興国を含めた国内外のものを組み合わせて、リスクの分散と収益性の確保を狙ったものもあります(グローバル・ソブリンが、その代表格でしょう)。また、株式投資信託でも、成長株を中心としたポートフォリオや、日経平均や金価格などの指標に連動したインデックス型の投資信託もあります。これらは、運用のプロが、考えぬいて作り上げたポートフォリオです。

NISAでは、これらの様々なポートフォリオの投資信託を複数組み合わせた「ポートフォリオのポートフォリオ」をつくり上げることができるのです。投資信託では、少額の積立から投資できる商品も多いので、これらを活用すれば、無限の個別株式や個別の債権を組み込んだポートフォリオが出来上がります。毎月、毎年、別の商品を少しづつ購入して、値下がりして長期的にも値上がりする見込みがないのなら、早々に「損切り」すればいいのですから、リスクも比較的少なくて済むでしょう(売却した枠は再利用できず、損益通算もできないので注意が必要です)。現在では4694本(2013年9月末現在)もの投資信託商品がありますが、一般社団法人日本投資信託協会が金融商品に関心のある層を対象とした2012年の全国調査結果でも、現在投資信託を保有しているという人は、全世代を通じても半数以下です。

日本人は投資信託に関心が薄いのです。しかし、NISAが扱うメインになる商品は投資信託といっても良いでしょう。投資信託は小口から出資できる商品が多い、という点もNISAに適しているのです。ただし、銀行では税法上の株式投資信託しか扱えませんし、大手証券会社やネット証券でも扱う商品は異なります。まず、自分が「投資したい」と思う投資信託をみつけて、NISAのポートフォリオを組んでみましょう。


NISAでETFなど様々なポートフォリオを組み合わせてみる

NISAは、株式や一般的な株式や債券の投資信託以外にも、ETFやREITを組み込んだ、オリジナルなポートフォリオも可能です。投資といえば株式、ポートフォリオといえば株式の銘柄、と思い込んでいた人にとっては、NISAで少額づつでも投資の対象を広げ、ポートフォリオを多様化するチャンスです。

ETFとは「Exchange Traded Funds」の頭文字で、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託です。東証株価指数(TOPIX)や、金価格に連動するETFがあります。指標となるこれらの値動きと全く同じように連動するというわけではありませんが、TOPIX全体に投資を行ったり、現物の金投資を行うのとほぼ同じような値動きが期待できます。REITとは「不動産投資信託」です。多数の人々で資金を集めて間接的に不動産を所有し、分配金としてその不動産の運用益(賃料の一部など)を受けるという仕組みです。日本版のJ-REITは、2001年に2銘柄でスタートした比較的新しい投資信託です。

NISAを活用すれば、様々なポートフォリオが可能です。NISA内でポートフォリオを構成することが可能なのですから。もちろん、1つの株式や投資信託だけでNISAを運用しても構わないのですが、数千万、億単位で株式や債券を保有・運用している資産家の方なら、NISAで新しい領域にチャレンジしてポートフォリオを広げてみるのも面白いのではないでしょうか。ただし、NISAは、一般口座と損益通算ができないことや、NISAは1人1口座しか開設できず、その金融機関も少なくとも4年間は変更不可であること、そして金融機関によって扱う商品が異なることに注意が必要です。

【NISA関連記事】
NISAとは?今さら聞けない少額投資非課税制度のポイント
NISA(ニーサ)で比較…今年、口座開設・乗換すべき証券会社はどこ?
NISAで投資信託…始める前に知っておくべきこととは?
NISAキャンペーンを徹底比較!最大70,000円プレゼントも?

【投資信託関連記事】
投資信託おすすめネット証券会社とは〜初心者も1から始められる投資信託〜
投資信託ランキング!初心者/中級者/上級者レベル別におすすめな投資信託は?
ETFとは-上場投資信託でリスクを抑えた分散投資を始めるには?

photo credit: ekkiPics via photopin cc