◉「プライベートバンク」と「プライベートバンクサービス」の違い

このプライベートバンカーズ協会に登録していない銀行であれば、「プライベートバンク」と名乗っていても、単に銀行や証券会社、又は金融コンサルタントの機能を一緒にし、サービスを多様化・向上させたようなものに過ぎません。

例えば、UBSは、ウェルスマネジメント・インベストバンキング・アセットマネジメントの3柱から構成される金融機関で、「ウェルスマネジメント部門で、プライベートバンキングサービスを行っている」という説明が、最も適切な表現になるでしょう。UBS自体も、HPを見るとわかるように、プライベートバンクとは名乗っていません。

最近では日本の金融機関も、響きが良いので富裕層向けに「プライベートバンクサービス」という名のサービスを提供しています。
一般的な金融のアドバイスと何が違うかというと、ポートフォリオを構成する際に用いることができる金融商品の種類です。
具体的には、単なる投資信託だけでなく、仕組み債などオルタナティブ商品や投信一任契約等が、「プライベートバンクサービス」には加わってくるという点です。しかし、日本の金融機関は、日本の金融庁の認可を受けた金融商品しか扱えないので、提供できる商品種類には限界があります。

参考: 商業銀行系プライベートバンクVS投資銀行系プライベートバンク~PBビジネスの魅力を感じる瞬間とは?~

規制の内容にもう少し詳しく触れます。顧客に未登録商品の話はできませんが(ちなみに、シティバンクのプライベートバンキング部門が国内から撤退した原因はここにあります)、顧客から名指しで未登録金融商品を指定してきた場合は別ということになっています。
しかし、現在では、海外投資に関する金融当局の動向が厳しくなったことを受け、外資系を中心とするプライベートバンクサービスを提供する各社はかなり神経質になっています。

以上、簡単に「プライベートバンク」と「プライベートバンクサービス」の違いについてのまとめをお届けしました。
プライベートバンク自体は歴史のある素晴らしいサービスです。しかしプライベートバンクを名乗るところは玉石混合であり、良い所もあれば期待はずれに終わってしまう所もありえます。今回のまとめが何かしらの形でお役に立てれば幸いです。

BY C.O
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