売上高トップ100企業のCEO の報酬が発表され、2017 年最高の報酬を得たのは、米国のケーブルTVチャーター・コミュニケーションズのトーマス・ラトリッジCEOで、報酬総額は9801万ドル(約109億5457万円)であることが分かった。2位以下のCEOの2倍以上の報酬を受けったことになる。

興味深いことに、トップ100のうち売上高が2億ドル(約223億4800万円)以上の企業は2社しかないのだが、両社2社のCEOはともに報酬を減らしている。

多い売上高トップ100企業のCEOの報酬額ランキング

10位 インドラ・ヌーイ(ペプシコ)2516万ドル
9位 ディオン・ウェイスラー(ヒューレット・パッカード)2815万ドル
8位 バージニア・ロメティー(IBM)3231万ドル
7位 アレックス・モリーナロリ(ジョンソン・コントロールズ)3261万ドル
6位 メグ・ホイットマン(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)3294万ドル
5位 サフラ・キャッツ(オラクル)4094万ドル
4位 ロバート・アイガー(ウォルト・ディズニー)4099万ドル
3位 マーク・V・ハード(オラクル)4112万ドル
2位 マーク・パーカー(NIKE)4762万ドル
1位 トーマス・ラトリッジ(チャーター・コミュニケーションズ)9801万ドル

CEOの報酬は上昇傾向 中央値は19億円

このランキングは米情報サービス企業、Equilarが、今年4月以前に提出された売上高トップ100企業の株主総会用資料に基づき、各企業のCEOの給与体系を調査したものだ。

過去数年の結果と比較すると、CEOの報酬が再び上昇傾向にあることが分かる 。全100企業のCEOの平均報酬は1500万ドル(約16億7655万円/前年比6%増)。中央値は1660万ドル(約18億5538万円)と、110万ドル(約1億2294万円)増えている。2013年以来、最大の増加だ。

3000万ドル(約 33億5310万円)以上の報酬を獲得したCEOは、昨年の2倍に当たる8人。そのうち3人が女性CEOである。しかし女性CEOで1位となったキャッツ氏の報酬自体は、前年から123万ドル(約1億3747万円)も減っている。

トップ100入りを果たした女性CEOは昨年から1人増え、合計9人となった。報酬の中央値は2120万ドル(約23億6952万円)。

売上高はトップのバフェット氏とクック氏は減額

これらのCEOの高額報酬と業績が釣り合っているか否かについては、疑問が残るところだ。例えば桁違いの報酬を得ているラトリッジ氏だが、自社の売上高は290億300万ドル(約3兆2431億円)と、ほかのトップ100よりも遥かに低い。

興味深いのは、トップ100の中で2000億ドル以上の売上高を誇る企業が2社しかないにも関わらず、この2社のCEOが報酬を減額している点だ。

一人目はウォーレン・バフェット氏で、2016年の報酬はトップ100中最も低い、わずか49万ドル(約5478万円)。しかしバークシャー・ハサウェイの売上高は前年比6%増の、 2236億400万ドル(約24兆9966億円)にものぼる。チャーター・コミュニケーションズのほぼ8倍の売上高だ。

二人目は前年比8%減とはいえ、売上高が2156億 3900万ドル(約 24兆1062億円)を記録したAppleのティム・クック氏である。2016年の報酬は、前年比15%の875万ドル(約9億7790万円)だ。

この辺りにCEOの人柄と、自社を成長させることへの熱意が反映されるのだろうか。組織で最も強い立場にあるCEO自らが、従業員や株主、そして消費者への還元に手本を示せる企業は、継続的な成長の可能性をふんだんに秘めているといえるのだろう。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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