ようやく梅雨らしい天気になりましたが、株式市場も米国のハイテク銘柄の勢いがなくなり、連れて売られるなど上値が重くなってきた感じです。こうなると日経平均の2万円がどうしても意識されるということなのでしょう。昨日も四季報オンラインの連載のなかで述べたのですが、ここから2万円をしっかりと超えてくるには指数に影響の大きな銘柄がかさ上げする必要もあり、どうしても上値は重くなってしまうと思います。

米国での相場下落が足を引っ張っている形ですが、すでに日本市場でも買われ過ぎ銘柄も多く、調整となるものも出てきそうです。海外市場に比べて買われていないという見方もできますが、買われ過ぎているものはすでに大きく買われており、そうした買われ過ぎ銘柄の調整は始まったばかりということなのではないかと思います。それでもまだ売られない銘柄も多く、世界的な金余りのなかで大きく下押すというよりは循環的に物色されるということではないかと思います。

米国株が引き続き軟調となったことや為替も円高に振れ、夜間取引やシカゴ市場で日経平均先物が売られたことから本日の日本市場は売り先行となりそうです。米ハイテク銘柄の売りが続いていることで日本でもハイテク銘柄などを中心に手仕舞い売りに押されるものが出てきそうで冴えない展開になりそうです。日銀や年金の買いも期待されますが、米FOMC(公開市場委員会)や日銀の金融政策決定会合を控えて積極的に買い上がるということでもないでしょう。

2万円が遠くなった感じです。引き続き19,700円~800円水準で下げ止まるかどうかということなのでしょうが、いったん19,500円~600円水準までの調整はありそうです。2万を試すところでは上値も重くなってくるのでしょうし、目先的には19,700円~800円を中心とした動きになりそうです。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

週が変わっても米国株の状況は変わらないようです。ここまで相場をけん引してきたハイテク銘柄などが手仕舞い売りに押されているのですが、日本のハイテク銘柄の一角や食品株の一角と同じように割高というような水準まで買われていた反動ということなのでしょう。日本株も買われ過ぎた銘柄などは手仕舞い売りに押されるものも多くなりそうです。

逆に買われ過ぎていない銘柄は持高調整の売りに押されるというよりは買い戻しなども入って案外値持ちの良い展開になりそうです。株主優待絡みではない空売りが積み上がっている銘柄なども多く、全体としては一気に大きく下落するというよりは日銀の金融政策決定会合を控えての持高調整の売り買いのなかで指数が下落するということなのだと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)

証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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