順張り,逆張り
(写真=Thinkstock/Getty Images)

株式投資の手法は、大別すると順張りと逆張りの2つに分かれる。一般的に、日本の個人投資家は、「価格が下がったところで買いに入る逆張り投資家」と呼ばれたりする。これに対して、順張りとは価格の上昇局面で買いに入る投資の手法を指す。昔から、これらの2つの手法のどちらがより儲かるか? という議論がなされてきた。この議論に対する筆者なりの答えを解説していきたい。

投資家はどこから利益を得るのか?

そもそも、株式投資家はどこから利益を得るのか、という投資の本質部分に目を向けてみたい。現物株式市場で買いから投資を組み立てる投資家は、ある時点で株を買い、株価が買値よりも上昇した時点で売却することにより利益を得る。これに対して、信用取引市場で空売りを仕掛ける投資家は、ある時点で空売りを仕掛け、株価が売値よりも下落した時点で買い戻しを行い、利益を得る。株式投資の利益とは、一定の値幅の価格変動が起こることにより発生することが確認できる。

ここで問題となるのは、一定の値幅の価格変動は、なぜ、どのようにして起こるのか? という株価変動の本質を考えてみることだ。

株価とは、理論的には、将来的にその企業が上げる収益を現在の価値に換算したものだと考えれば、将来的な収益の拡大は、株価の上昇要素となる。しかし、株価の変動要素はこれだけではない。企業の収益だけに捉われない、市場参加者の集団心理も株価の変動に重要な影響を及ぼす。また、それぞれには上昇要素だけでなく、下落要素も存在する。

株式投資の利益の源泉はトレンドの発生である

株価チャートにおいて、過去の様々な値動きを確認・検証することにより、価格変動の中の特有の傾向や性質を見出すものが、テクニカル分析である。このテクニカル分析を用いて、様々な市場や銘柄の価格の動き、特にトレンドを確認・検証すると、トレンドの形成には、ある一定の性質があることが分かる。

それは、次の2つに集約される。

1.トレンドとは、ファンダメンタルズの裏付けを伴い長く大きく続く一方向に偏った値動きである
2.市場にトレンドが形成された時、そのトレンドが強ければ強いほど、市場参加者の心理状態が過熱を帯び、トレンドの終末部分で行き過ぎを起こす

この2つの性質こそが、市場の価格変動のトレンドに見られる大きな特徴であり、トレンドが発生すれば、投資家が利益を上げることができる値幅の変動が起こる。株式投資においては、トレンドの発生こそが投資家の利益の源泉だ。

逆張りと順張りの違いとは?

逆張りと順張りという2つの投資手法は、上記のトレンドの重要な2つの性質を確認する時、明確なターゲットを見出すことの投資戦略である。

逆張りとは、下落トレンドが形成された際に、そのトレンドの終末において、投資家の集団心理がパニックなどにより行き過ぎを形成し、理論的には理解できない水準まで下落したところを狙って買いを入れる投資戦略である。

そのような安値は、市場の集団心理の行き過ぎにより形成されたものであり、理論的な企業価値や将来の収益の可能性を考慮すれば、一定期間を経た後に、市場のパニックが収まることで買いが戻ってくれば、株価は上昇を開始する。これが、株価の安いところを買う、下落局面を買う、逆張りの投資戦略だ。

一方の順張りの投資戦略のターゲットは、ファンダメンタルズの裏付けを伴った、長く大きく続く上昇に偏った値動きである。この局面では、安定的に株価が上昇するので、この流れに乗り上昇局面で買いを入れる投資戦略こそが、順張りである。