「既婚者は独身者よりも、心臓発作で生き残る確率が14%高い」という報告書を、英国の医大、アシュトン・メディカル・スクールとイースト・アングリア大学が共同発表した。「入院の平均期間も2日少ない」ことも明らかになっている。
調査は2000年から2013年にわたり、慢性疾患と診断された英北部の92万9552人の患者の情報を分析したものだ。決定的な要因は明確にされていないものの、「配偶者による肉体的サポートだけではなく、精神面での支援も大きい」という過去の調査結果の裏づけとなる。
高コレステロール値の生存率は既婚者のほうが16%高い
アシュトンは併存疾患の生存率などを分析する調査機関ACALMを通し、婚姻状態と慢性疾患の関連性について複数の調査を実施してきた。
最新の調査では、高血圧症(16万8431人)、2型糖尿病(6万8098人)、高脂血症(5万3055人)の患者のデータに焦点を当てている。
その結果、例えばコレステロール値の高い50代から70代の患者を比較した場合、既婚者の方が16%生存率が高いことなどが判明した。
全症状を通して、同様の差異が見られることから、調査を先導したポール・カーター博士は、「結婚しているという事実が、生存率に何らかの恩恵をもたらしていることは間違いない」とポジティブにとらえている。その一方で、今後はさらに研究の視野を広げ、確固たる根拠を追求する意向だ。
既婚者の生存率を同棲・別居・離婚・死別者と細かく比べた場合、差異はそれほどでもなく、これらの既婚者の心理状態(結婚生活における幸福度など)が不明である点も、解明すべき課題だろう。