平均寿命の延伸や少子化によって地球規模で進行する高齢化社会を、「テクノロジー」や「イノベーション」でもっと充実した自立型へと改善して行くという発想が生まれている。

様々な国が新たな社会的介護システムの構築に乗り出す中、すでに確固たる実績を誇るオランダ発の在宅介護システム「ビュートゾルフ」が、急激に注目を集めている。

医療と介護の領域を隔てる壁がない新たな介護支援モデル

介護,高齢化社会,イノベーション
(写真=Thinkstock/Getty Images)

「ビュートゾルフ」は非営利団体、ビュートゾルフ・オランダ の設立者である看護婦が、わずか4人のメンバーで2006年に開始した新たな介護支援モデルだ。現在はオランダだけでも年間利用者7万人、 従業員1万人、850の介護チームに成長している。

既存の介護システムと最も大きく異なるのは、医療と介護の領域を隔てる壁が存在しない点だろう。「専門別に分業する」という介護の概念を取り除き、最大12人の「地域ナース」 で構成されたチームが総合的かつ自立したケアを実践している。

各チームは看護師7割、理学療法士、作業療法士 などで構成されている。包括的なケアを提供しているため、分業による連携の手間暇やコストを大幅に縮小することができる。ケアマネージャーなど上層部からの指示を待つことなく、チームメンバーが自らの主体的な判断と責任で、各利用者に最適な対応を心掛けている。

「自分の生活はできるだけ長く自分で管理したい」「社会と関わっていたい」「温かみのある人間関係を築きたい」といった利用者側の希望は、人間として当然の感情だ。こうした「普遍的な人的価値」 を重視し、一歩進んだ肉体的・精神的自立支援を提供できるのは、効率性に優れたシステムだけが成せる業といえるだろう。

ケア時間が通常の半分に短縮?コスト面でも恩恵大