6月12~16日の東京株式市場は弱含みとなった。
日経平均株価は週初に2万円を割り込み、その後も上値の重い展開が続いた。相場が大きく崩れるような状況でもなく、底堅さも感じられるが、手掛かり材料難で積極的に仕掛けにくい環境にあるようだ。
移動平均線からの「高かい離率」ランキング
それでは今回は、25日移動平均線からの「高かい離率」ランキングをみていこう。
(1)トーセ <4728> 2230円 +98.70%
(2)エス・サイエンス <5721> 79円 +71.00%
(3)ヤーマン <6630> 9600円 +46.07%
(4)エンシュウ <6218> 121円 +35.23%
(5)大光 <3160> 1695円 +34.30%
(6)芦森工業 <3526> 269円 +32.59%
(7)川西倉庫 <9322> 1589円 +31.48%
(8)Hamee <3134> 1591円 +29.11%
(9)TOKYO BASE <3415> 1591円 +29.11%
(10)三井ハイテック <6966> 1715円 +24.84%
※銘柄、証券コード、16日終値、かい離率の順。
全体相場の方向感が乏しくなる中、新規材料に動意づいた中小型株がランキング上位に並んだ。業種別でみると電気機器と小売業が各2銘柄、その他は情報・通信業、非鉄金属、機械、卸売業、輸送用機器、倉庫・運輸関連業が各1銘柄となっている。
トーセ、『ドラゴンクエストライバルズ』効果で急騰
今回は上記ランキングからトーセ、ヤーマン、芦森工業を取りあげたい。
トーセは京都に本社を置くゲームソフトやモバイルソフトなどの受託開発専業大手である。
今月上旬、スクウェア・エニックスの年内配信予定のスマートフォン向けゲーム『ドラゴンクエストライバルズ』の開発を同社が担当していることが明らかとなり、投資家の買いを集めて株価も急騰した。
『ドラゴンクエストライバルズ』は、ドラゴンクエストに登場するキャラクター等が登場するターン制カードバトル。キャラ等を召喚し、攻撃・防御を繰り返しながら勝敗を競うゲームで、6月9日から19日にクローズドβテストを実施したほか、YouTube等でもティザー映像を公開している。
先週、トーセの株価は25日移動平均線からの「かい離率」が+98.70%に達し、ランキング1位となった。
ヤーマン、好業績・増配・株式分割を好感
ヤーマンは美容・健康機器メーカー。体脂肪測定器や美容ローラーなど、独自技術による製品開発で定評がある。
ヤーマンの美容・健康機器は、訪日観光客向けの販売が好調に推移している。13日発表の2017年4月期の連結営業利益は前期の3.4倍に当たる35億円となった。
同社は期末配当を従来予想の3倍の54円とする増配と、10月末の株主に対する1対10の株式分割も発表。好業績の中小型株として個人投資家を中心に人気化し、今回のランキングで3位となった。
芦森工業、エアバッグ需要の増加期待で人気化
芦森工業は大阪市に本社を置き、消防車用ホースや自動車用シートベルト等を手がける企業だ。
欠陥エアバッグ問題で経営不振に陥っていたタカタ <7312> について「民事再生法の適用申請に向け最終調整に入った」との報道が材料視された。タカタに売り注文が殺到する一方で、エアバッグの需要が芦森工業にシフトするとの思惑が広がり、投資家の買いを集めた。
なお、タカタに関連した動きでは、エアバッグの膨張装置(インフレーター)を手掛けるダイセル <4202> の株価も思惑買いを集めて上昇している。(ZUU online 編集部)
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