私の使っている手法は、株価チャートを見て株式相場を判断する「テクニカル分析」と呼ばれるものです。このテクニカル分析は、個人トレーダーが副業で稼ぐときに最適の手法だと思っています。
(本記事は、冨田晃右氏の著『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』ぱる出版 (2017/5/23) の中から一部を抜粋・編集しています)
たしかに巷ちまたには、「知識や経験がない素人でも、ノウハウを学んだだけで大儲けできる」とうたう本があふれています。それらの本のすべてがウソだというわけではありませんが、その著者が大儲けできたのは「運よくたまたま儲かっただけの話だった」ということもよくあるのです。
その著者が儲かったことは事実なので、その体験談を本にするのは悪いとは思いません。でも、その著者の真似をすればあなたも同じように儲けられるかと言えば、それは難しいといわざるをえません。幸運によって一時的に偶然得られたような儲けのノウハウには、再現性がないからです。
私は、「株は、儲けるものではなく稼ぐものだ」と思っています。「儲ける」には、「一時的に偶然、利益が転がり込んでくる」というニュアンスがあります。一方、「稼ぐ」には「現在も将来も、継続して利益を得る」というニュアンスが含まれています。「儲ける」と「稼ぐ」この二つの言葉は似ているようで大きく異なるのです。
あなたが身に付けなければならないのは一過性のものではなく、一度学べばずっと使える知識です。本を読んでいる今だけわかった気になるのではなく、読み終わった後もその先も、ずっと「稼ぎ」続けてほしい。
口座は必ず「逆指値注文」ができるもの!必ずネット証券で!
ここでは、これからトレードをはじめるという人に向けて、そのステップをご紹介しましょう。事前準備としては、トレードをする証券会社の口座を開設する必要があります。基本的にはインターネットで売買できるところならどこでもいいのですが、必ず「逆指値注文ができるかどうか」を確認しておきましょう。
株を売買する方法に、売買する価格をあらかじめ指定しておく「指値注文」というものがあります。この注文は「○円以上であれば売り」「○円以下であれば買い」という基準を設定するので、その条件に当てはまらない場合は売買することができません。
逆指値注文は指値注文の逆で「○円以下になったら売り」「○円以上になったら買い」と設定する方法です。これが使えれば、日中に急落・暴落しても「株価があるラインを下回れば、自動的に売る」という設定が前もってできるので、損失をふくらませなくてすみます。逆に、この注文が使えないと大損する確率が非常に高くなります。取引時間中、細かく株価をチェックできない副業トレーダーには生命線ともいえる注文法ですので、口座開設時には、「逆指値注文が備わっているか」を忘れずにチェックしてくださいね。
資金・利益確定・損切りの目安 1回あたりのトレード資金
1回当たりのトレード資金は、決してその時の気分や勢いで決めてはいけません。目安としては、次の公式に当てはめて計算してみるのがお勧めです。
1回当たりのトレード資金=あなたがロスカットしていいと思う金額÷0.03(ロスカットした時の損失率)
ロスカットとは、損切りとも言い、損失が発生したときにこれ以上損をふくらませないため、自分の意思で損を確定することです。損は誰でもしたくないものですが、ロスカットをしないと損失がどんどん膨らんでしまうことがありますので、必ず行ってください。
「このくらいなら損してもいいかな」というロスカットしても苦にならない金額は、そのときの資金的余裕によって変わってくると思います。逆に言えば、ロスカットの金額を見れば、無理のないトレード資金の額が割り出せるのです。私が1回あたりのトレード資金額を、ロスカット金額を基準にして決めるのは、このような理由からです。
たとえば、3万円のロスカットができる人の1回あたりのトレードの最大資金は100万円になります。「あなたがロスカットしてもいいと思う金額× 33.3倍=1回あたりのトレードの最大資金」と考えてもよいでしょう。
利益確定の目安
1回あたりのトレード資金が決まれば、そこから目標利益額を割り出すことができます。この目標利益額は、どのくらいのスパンでトレードを行うかによっても変わってきます。数か月単位でトレードをしている人は、数日単位でトレードをしている人よりも多くの利益を上げることができます。利益確定の目標目安は以下のとおりです。
トレード期間が、
1日間……1回のトレード資金の0.5~1%
数日間……1~3%
数週間……3~10%
数か月……10%以上
この利益率を「低い」と思わない
この表に当てはめると、1回あたりのトレード資金が10万円の人が数週間で利益確定する場合、3000~1万円くらいの稼ぎを目標にするということになります。さて、この利益、あなたは少ないと思いますか? これを「少ない」と思う人は「どんな相場環境でも再現可能な数字はこれくらいなのだ」と考えを改めたほうがいいでしょう。初心者が一気に資金の何倍も稼ごうとして、稼げるはずがありません。
私たちが目指すのは「どんな相場環境でも利益を出す」ことです。相場環境が良いからうまくいく、環境が悪いからうまくいかない、ではダメなのです。どんな環境の時も長期的継続的に稼ぐことを念頭に置いて、取引をしてください。
冨田晃右
1970年生まれ。株式会社日本トレード技術開発代表取締役。自ら代表を務める「株式会社日本トレード技術開発」が運営する「株式スクール冨田塾」を全国各地で開催。