ワークライフバランスの実現が叫ばれている昨今、新入社員の「働くことの意識」はどのように変化しているのだろうか。日本生産性本部の「職業のあり方研究会」と日本経済青年協議会は、2017年度の新入社員を対象とする「働くことの意識」の調査結果を発表した。この調査は初回の1969年度から49回目を数えており、他に例を見ないほどの長期にわたる継続的な調査になっている。ここでは調査結果のデータから、最近の新入社員の意識の特徴を伺い見ることにしたい。

「働く目的」では「楽しい生活をしたい」が過去最高を更新

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(写真=PIXTA)

本調査は、2017年度の新社会人研修村の参加者に調査票を配布し、有効回収できた男性1230名、女性651名、性別無回答1名の計1882名から得られた回答を集計したものだ。「働く目的」については、「楽しい生活をしたい」「経済的に豊かになる」「自分の能力を試す」「社会に役立つ」の4項目の中で、「楽しい生活をしたい」が2015年度の37.0%から2016年度には過去最高の41.7%に増え、さらに今回はこれを更新する42.6%となったことが注目される。

これは一方で「自分の能力を試す」が過去最低だった2015年度の13.4%から2016年度には12.4%となり、さらに今回も過去最低を更新する10.9%となっていることにも関連しているものと思われる。こうした結果は、「会社よりも自分を大切にする」という考え方が一般的になってきたことの象徴なのだろう。回答に占める「社会に役立つ」が、2015年度の12.5%から2016年度の9.3%、2017年度の9.2%と減少傾向を続けているのにも、同じことが言えるだろう。

デートか残業か