注目された東京都議会選挙は、小池百合子知事が率いる「都民ファーストの会」が圧勝、自民党が歴史的大敗を喫した。安倍晋三首相は官邸で記者団に歴史的惨敗について反省の意を表明、「政権奪還した時の初心に立ち返り、全力を傾ける決意だ」との決意を述べた。野党はこぞって「安倍政権のおごり」と断じて、国政の場での反撃に転じるようだ。今回の都議選を大手メディアや有識者はどう受け止めたのだろうか。

自民の大敗はおごりと慢心と朝日新聞社説

地方選,選挙結果,政治
(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

朝日新聞は3日の社説で、「都議選、自民大敗 政権のおごりへの審判だ」との見出しで、敗因を「おごり」と「慢心」であり、有権者が「NO」の審判を下したと手厳しい。

社説では、「安倍1強」のゆがみを示す出来事は枚挙にいとまがないと指摘した。「数の力で議論封殺」したのは森友学園や加計学園の問題、「共謀罪」の強行成立、稲田朋美防衛相ら閣僚、党幹部の放言・暴言を例に挙げた。「来年9月の党総裁選、同年12月任期満了を迎える衆院議員の選挙、さらには首相が旗を振る憲法改正への影響は避けられないだろう」と指摘している。

小池都政も問われると産経新聞

産経新聞は同じ日の主張(社説)で、「小池勢力圧勝 都政改革の期待に応えよ」と題して、主として小池知事に焦点を絞って主張を展開した。小池知事には「停滞した築地市場の移転問題や東京五輪の開催準備、さらに都民の生活に関する課題への取り組みを加速してもらいたい」とする。

自民党の敗因については、「一義的には改革姿勢を明確に打ち出せなかった点にある。ただし、国政レベルで相次いだ政権与党内の不祥事が逆風を招いたのは明らかだ」とさらりとかわした。

「つまり、東京をどうするかという中心課題についての論戦は尽くされておらず、これから小池氏が諸課題にどう取り組むか、それを議会がいかにチェックしていくかは不透明さが残る」と断じている。

早稲田大学とテンプル大学日本キャンパスのマイケル・トーマス・ツーツェク兼任教授は「安倍首相は党内からより大きな挑戦を受ける。脅威は小池知事ではない」と示唆する。ニューヨーク・タイムズ紙は、友人(稲田朋美防衛相ら)を支援するやり方が今や、安倍首相の最大の“重荷”になったと指摘、「安倍首相は閣僚名から自分の名前を入れ替えられず、より政治手腕のある人と交代することになる。安倍首相は自分自身が抱える大きな問題から逃れることはできない」というツーツェク氏の見方を紹介した。

ワシントン・ポスト紙は、小池知事が首相になるために国会への返り咲きを狙っているとうわさされていると指摘している。果たしてそうなのか、注視したいところだ。(長瀬雄壱 フリージャーナリスト、元大手通信社記者)

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