総務省統計局は5年に一度、就業構造基本調査を実施しています。全国および地域別の就業・不就業の実態を詳しく知るために、複数の項目を調査します。「平成24年就業構造基本調査結果」をもとに、副業をしている人の比率が多い都道府県、すなわち、副業に活発である都道府県をランキング形式で紹介していきます。

調査結果から読み取れること

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(写真=fizkes/Shutterstock.com)

調査データによれば、全国の有業者6,442万700人のうち副業を持つ人が234万3,900人であり、比率としては3.6%という結果でした。ここでいう有業者とは、普段収入を得ることを目的としており、調査日以降も継続して仕事をしていく予定である人・仕事は持っているが現在は休んでいる人のことを指しています。(仕事をする日数が不規則な場合、1年間に30日以上仕事をしている場合は有業者と数えます。)

また、副業がある人のうち、本業が自営業主であるか雇用者(役員を含む)であるか、本業が農林業であるか否か、副業が農林業であるか否かも調査項目となっています。これらの調査結果から、各都道府県の副業を持っている人の割合とその雇用形態・産業の詳細をつかむことが可能です。

「副業に活発」な都道府県ランキング5位・4位・3位

副業を持つ人の割合が多い都道府県の第5位は長野県です。有業者110万8,700人のうち副業を持つ人は5万8,600人で比率は5.3%でした。ちなみに比率が5%を超えているのは上位5位のみで6位の佐賀県は4.7%です。上位5位の県が他の県よりも副業を持つ人の割合が突出しているといえます。

5位の長野県は上位5県のうちでも、本業が非農林業で自営業主の方がわずかに多く、副業も非農林業の人が6割以上でした。年間を通して果物などの生産が多い長野県ならではの結果なのかもしれません。

4位は山形県です。有業者58万3,800人のうち副業を持つ人は3万1,400人で比率は5.4%でした。副業を持つ人のうち約2割が本業は農林業であり、上位5県の中でも一番割合が多くなっています。山形県は米やサクランボ、牛や豚が山形県全体の農業産出額の6割を占めています。季節的な影響もあって農林業の閑散期に副業を行っている方が多いのではないかと推測されます。

3位は島根県です。有業者35万6,600人のうち、副業を持つ人は1万9,700人で比率は5.5%でした。ほかの5県と異なる点は、副業がある人のうち本業が非農林業で副業も非農林業である方の割合が多いということです。わずかながらの数字ではあるものの、島根県は特産物などに影響しない部分で副業に関して活発な動きがあるといえます。

「副業に活発」な都道府県ランキング2位・1位

上位2位は3・4・5位とは異なる面白い結果が出ました。第2位は秋田県です。有業者51万1,400人のうち副業を持つ人は2万9,200人で割合は5.7%でした。副業を持つ人で本業が非農林業のうち、副業が農林業である人の割合は6割以上で、5位の長野県とは真逆の結果でした。

また、副業を持つ人のうち本業が自営業主の人の比率は10.3%と、全国で1番となっています。つまり自営で農林業を営んではいるものの、副業を持っている人の割合が非常に多いということです。秋田県は米やりんごで有名ですが、収穫期以外の時期には収入が減ってしまう恐れもあり、農林業を副業と捉えている人が多いのではないでしょうか。

1位は岩手県です。有業者65万4,700人のうち副業を持つ人は3万8,800人で割合は5.9%でした。全国の比率3.6%と比較するとかなり大きい数字です。岩手県も秋田県と同様で副業が農林業の人が多い傾向がみられるものの、秋田県と異なる点は、本業が雇用者(役員含む)である比率が5.6%と全国で1番となっている点です。

岩手県は秋田県と同様、農林業における閑散期とのバランスをとるために副業を持っている人が多いといえます。しかしながら、雇用者でありながらも副業を持つ・持つことができるのは、「全国的に見ても副業に対して寛容であり、活発な都道府県だから」と言えるのではないでしょうか。

本業と副業のバランスを大切に

都道府県ごとに活発な産業が異なるため、副業に対してもさまざまな考え方があるでしょう。しかしながら、1年を通して、さらには数年後・数十年後を見越しつつ副業を持つことは今後非常に重要となってくるはずです。

本業を大切にしながらも、今ある自分の資産を上手く運用・投資していくことを副業とする人も年々増える傾向にあります。今後のことを考えるならば、検討してみる価値は十分にあるでしょう。(提供: Incomepress

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