5歳から12歳の子どもの運動量を調べた結果、「子どもの年齢があがるとともに、運動量が減っている」ことへの懸念を示すレポートを、英国公衆衛生庁(PHE)が発表した。

英国で推奨されている子どもの運動量は1日1時間だが、5歳から7歳の子どもの28%がこれを満たしているのに対し、11歳から12歳の子どもは17%に落ちこむ。

PHEは運動不足を子どもの幸福度に影響する要因のひとつとして指摘している。

運動神経に自信がない子どもも運動不足傾向

英国政府のポータル「Gov.uk」によると、この調査は小学校就学年齢の子ども1005人と保護者1004人を対象に、2017年6月の子どもの運動量について調べたもの。PHEとウォルトディズニー、スポーツ・イングランド が、子どもに健康的な生活を促進するキャンペーンの一環として行った。

93%の子どもが「運動が好き」と答えているが、十分な運動をしている子どもは5人に1人。男子23%、女子20%との割合だ。PHEは「年齢があがるにつれ、運動不足の子どもの数が40%増える」と述べているが、この点に関しては詳しい数字が公表されていないため未確認だ。

子どもの運動量の低下は特に先進国で広がっており、デジタル社会の副作用が要因のひとつであることは否定できない。WHO(世界保健機関)やユニバーシティ・カレッジ・ロンドンも、デジタル化による子どもの健康への影響を懸念するレポート を発表している。

現代っ子がコンピューター・ゲームよりも運動を選ぶには、「友達と一緒に運動する(53%)」「もっと面白いアクティビティーがあれば運動する(48%)」など、何らかのモチベーションが必要なようだ。

「うまく運動できなかったら心配(22%)」と、自分の運動神経に対する自信のなさから、あえて運動を避けている子どももいる。この傾向も年齢とともに強くなり、5歳では17%だが11歳になると29%まで増える。

幸せな11歳は半分以下 幸福度が年齢とともに低下